2011 Fiscal Year Annual Research Report
室温動作スピントランジスタの創製に向けたスピン検出効率の極大化
Project/Area Number |
11J01905
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠原 健司 九州大学, システム情報科学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | スピントロニクス / ゲルマニウム / スピン注入 / スピンMOSFET / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本研究は、次世代トランジスタとして期待されている超低消費電カスピンMOSFETの創製を目標としている。このスピンMOSFETを実現するためには、まず強磁性金属の電極からSiGe中にスピンを注入し、そしてSiGe中に蓄積したスピンを室温以上において検出する必要が有る。 本年度、申請者はスピン注入及び検出性能が高い強磁性CoFe合金を電極として用い、SiGe中におけるスピンの拡散方向を一次元的に抑制するためにSiGe On Insulator (SGOI)基板を用いることにより、これまで低温に留まっていた強磁性金属/SiGe直接接合構造を用いたSiGe中でのスピン検出を、世界で初めて室温以上に引き上げることに成功した。 これまで、室温以上でのSiGe中におけるスピンの検出は、強磁性金属/極薄絶縁体/SiGe構造を用いて実現されたものばかりであったが、この強磁性金属/極薄絶縁体/SiGe構造ではスピンMOSFET作製時に極薄絶縁膜がデバイスの抵抗を増大させるため、物理的な議論をする上では非常に役に立っているが実用向きではなかった。一方、申請者の強磁性金属/SiGe直接接合構造は強磁性体とSiGeの間に極薄絶縁体を挟まないため低抵抗であり、非常に低消費電力なデバイスの創製が期待できる。今回、本研究により強磁性金属/SiGe直接接合構造を用いて室温以上でSiGe中のスピンを検出できたことにより、スピンMOSFETを実現する上で最も鍵となる技術が実現されたと言っても過言ではなく、この成果はスピンMOSFETを加速させる非常に重要で且つ半導体工学上、非常に意義の大きい成果であると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は、当初の計画通り、強磁性電極から注入されたスピンがSiGe中に存在することを明瞭に示唆するシグナルを室温以上で観測することに成功した。最近、SGOI基板上にデバイスを加工する技術も確立しており、近々バックゲート型のMOSFET構造を作製する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の計画通り、バックゲート型のスピンMOSFETの作製に注力し、室温以上におけるスピンMOSFETの動作実証に向けて研究を邁進してゆく。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Electric-field control of spin accumulation signals in silicon at room temperature2011
Author(s)
Y.Ando, Y.Maeda, K.Kasahara, S.Yamada, K.Masaki, Y.Hoshi, K.Sawano, K.Izunome, A.Sakai, M.Miyao, K.Hamaya
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Journal Title
Applied Physics Letters
Volume: 99
Pages: 132511-1-132511-3
DOI
Peer Reviewed
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