2012 Fiscal Year Annual Research Report
室温動作スピントランジスタの創製に向けたスピン検出効率の極大化
Project/Area Number |
11J01905
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠原 健司 九州大学, 大学院・システム情報科学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | スピントロニクス / ゲルマニウム / スピン注入 / スピンMOSFET / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本研究は,次世代トランジスタとして期待されている超低消費電カスピンMOSFETの創製を目標としている.このスピンMOSFETを実現するためには、まず強磁性金属のスピン注入電極からSiGe中にスピンを注入し,そしてSiGe中を伝導してきたスピンをスピン検出電極にて検出をする必要が有る. 本年度,申請者は,高いスピン注入及び検出性能が期待される強磁性シリサイドFe,Siを用いた高品質Fe3Si/SiGe(111)界面に,δ-ドーピングと呼ばれるドーピング手法を用いて界面の電気伝導特性をチューニングすることにより,スピン注入に適切なショットキートンネル伝導を実現することに成功し,この界面を用いることにより強磁性金属/SiGe直接接合では世界で初めてSiGe中におけるスピン伝導の検出を観測することに成功した. これまで,SiGe中におけるスピン伝導の検出は,強磁性金属/極薄絶縁体/SiGe構造を用いて実現されたものばかりであったが,この強磁性金属/極薄絶縁体/SiGe構造ではスピンMOSFET作製時に極薄絶縁膜がデバイスの抵抗を増大させるため,物理的な議論をする上では非常に役に立っているものの,実用面では不向きであった.一方,申請者の強磁性金属/SiGe直接接合構造は,強磁性体とSiGeの間に極薄絶縁体を挟まないため低抵抗化が可能であり,非常に低消費電力なデバイスの創製が期待できる.今回,本研究により強磁性金属/SiGe直接接合構造においても,SiGe中のスピン伝導を検出できたことにより,スピンMOSFETを実現する上で最も鍵となる技術が実現されたと言っても過言ではなく,この成果はスピンMOSFETを加速させる非常に重要で且つ半導体工学上,非常に意義の大きい成果であると言える.
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Room temperature detection of spin accumulation created in n-Ge through Schottky tunnel contacts2012
Author(s)
G. Takemoto, Y. Baba, Y. Fujita, S. Yamada, K. Kasahara, Y. Hoshi, K. Sawano, M. Miyao, and K. Hatnaya,
Organizer
PASPS-VI12012, The 7th International Conference on Physics and Applications of Spin-related Phenomena in Semiconductors
Place of Presentation
Netherlands
Year and Date
20120805-20120809
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