2012 Fiscal Year Annual Research Report
Dirac-Klein-Gordon方程式系の解の漸近解析
Project/Area Number |
11J02083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 正弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / 大域解の存在・非存在 / 非線形シュレディンガー方程式 / ライフスパン / 非線形波動方程式 / 零条件 / 解の漸近挙動 / 臨界指数 |
Research Abstract |
本年度は,まず,空間2次元における,非線形項に微分を含む2次のシュレディンガー方程式系に対する解の漸近挙動に関する研究を行った.これは片山聡一郎氏(和歌山大)と砂川秀明氏(大阪大)との共同研究である.まず,空間2次元において2次の非線形項を持つシュレディンガー方程式は,線形解の摂動として取り扱うことが難しい興味深い状況である.すなわち,非線形項の構造までを考慮するに入れる必要がある.そこで,我々,あるシュレディンガー方程式系が大域解を持つための十分条件を提唱し,そして実際にその条件下では大域解が存在し,さらに解が漸近自由になることを示した. また,絶対値の冪乗型の非線形項を持つ非線形シュレディンガー方程式の解の爆発についての研究を行った.昨年,若杉勇太氏(阪大)と共同で非線形項の次数がある値よりも小さければ小さな初期値に対する解の爆発の結果が得られることを示した.しかし,その指数より大きい場合の大域解の存在・非存在は依然未解決問題として残っていた.そこで,されに研究を進めることにより,より大きな指数の範囲に対して,時間局所解が大域的には伸ばせないことを示した.また,解の存在時間についての評価も行った. さらに非線形消散型波動方程式についての解のライフスパンの上からの評価を導出した.これは高次元においては長い間未解決であった問題である.また,より一般の変数係数の摩擦項を持つものに対してもライフスパンの上からの評価を導出した.
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