2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J02093
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 大地 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | サイドステップ / 相転移 / ロコモーション |
Research Abstract |
本研究の目的は,相転移が起こる速度を特定することと,相転移現象の発生機序を解明することである.研究計画書に記載した,「実験1横方向への移動運動における相転移現象の再現性の検証」に関して、2011年度にまとめた論文を再構成し、国際誌に再投稿した。「実験2バイオメカニクス的手法による各様式の特徴と相転移現象の解明」に関して,2012年3月に行った実験データをまとめて6月の運動学習研究会で発表した。全被験者にて跳躍期、両脚支持期の有無より様式の分類を行い、「walk-gallop」の相転移現象が確認され、ストライド・ピッチの関係や力積からも同様に非線形な様式の速度依存的変化が確認された。さらに位置エネルギー、運動エネルギーの交換パターンより、遅い速度でみられる「walk」の様式は振り子的な振る舞いを、速い速度でみられる「gallop」の様式は非振り子的な振る舞いによって為されていることが示された。「実験4数理モデルによる検証」に関して,実験2でまとめた振り子変換効率のデータを更にまとめ、検証し始めている。 昨年度より行っている「ストライド周期の変動に関する研究」に関しては、昨年度よりさらに被験者を追加し、快適な速度下で行われた「walk」、「gallop」、「run」の様式ともストライド周期にフラクタルなゆらぎが存在することを示した。この成果については6月のMotor Control研究会、7月にヨーロッパスポーツ科学会で発表した。 以上のように本研究は運動制御,運動生理,バイオメカニクス,といったさまざまなスポーツ科学分野で構成されている.それだけでなく相転移という観点から非線形現象研究なども関連している.横方向の移動運動の様式を分類し、制御メカニズムの違いを理解しようという取り組みは,リハビリテーションや各種スポーツトレーニングに有用な知見を与えることができると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度は前年度の実験データをまとめ、再実験を行うことにより、さらに洗練されたデータを集めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は現在取得しているデータの解析を進め,国際誌に投稿していく。再実験,追加実験が必要な実験については随時データを取得していく.
|