2011 Fiscal Year Annual Research Report
IP-10/CXCL10、CXCR3ノックアウトマウスにおける逆アルサス反応
Project/Area Number |
11J02158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 真史 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アルサス反応 / 血管炎 / CXCL10 / CXCR3 / ノックアウトマウス / 抗原抗体反応 / 3型アレルギー / 動物モデル |
Research Abstract |
今回の実験では、CXCL10、CXCR3それぞれのノックアウトマウスに対して免疫複合体疾患(III型アレルギー)の動物モデルである逆アルサス反応を用いた。この実験系で血管炎を中心とした免疫複合体疾患における白血球の炎症局所への誘導に対するCXCL10とCXCR3の役割を解明したい。 CXCL10、CXCR3それぞれのノックアウトマウスと野生型マウス、計3系統のマウスを用いて逆アルサス反応における炎症反応の程度を比較した。まず、ニワトリ卵白アルブミンをマウスの尾静脈から注射し、その直後に抗ニワトリ卵白アルブミンIgG抗体を皮下注射した。その後皮下における浮腫(注射から4時間後)の程度を評価した。これまでに行った実験で、CXCR3ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して浮腫の程度に明らかな変化はないものの、CXCL、10ノックアウトマウスでは有意に浮腫の程度が減弱していた。また、浮腫を起こした部位を皮膚生検して免疫染色も含めて組織学的に検討したところ、好中球数は野生型マウスと比較してCXCL10ノックアウトマウスで減弱していたが、マスト細胞数には変化がなかった。さらに組織からmRNAを抽出してQuantitative RT-PCR法で発現量を調べたところ、IL-6やIL-1βといった炎症性サイトカインが野生型マウスと比較してCXCL10ノックアウトマウス減少していた。よって、CXCL10が欠損すると好中球の遊走や炎症性サイトカインの産生が減少し、浮腫を初めとした炎症反応が減弱するのではないかと予想している。現在は8時間後の出血の程度の評価(視診、組織、PCR)とともに、腹水中のアルサス反応(タンパクレベルをEHSA kitで測定、フローサイトメトリーで白血球各分画におけるCXCR3陽性細胞数を評価)についても検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点で、CXCL10ノックアウトマウスでは野生型マウスに対して、逆アルサス反応において明らかに炎症反応が滅弱していることが分かった。このことより、ヒトにおける血管炎でもCXCL10が重要な役割を果たしていることが示唆される。 一つ問題点としては、CXCL10ノックアウトマウスは野生型マウスに比較して繁殖が難しく、実験を効率よく進めるときの支障となることがある。
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Strategy for Future Research Activity |
CXCL10ノックアウトマウスでは抗原抗体反応が減弱することがすでに明らかとなった。次に、そのメカニズムを解明する必要がある。まずはどの炎症細胞がメインでCXCL10を介した抗原抗体反応に関わっているかを同定する必要がある。CXCR3の発現量を腹水中の好中球、マスト細胞、CD4陽性細胞、CD8陽性細胞で測定し、CXCL10のレセプターの発現量を検討するつもりである。 一方で、CXCR3ノックアウトマウスでは予想に反して炎症の減弱はあまり強くみられなかったことから、この原因を追究する。
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Research Products
(2 results)