2011 Fiscal Year Annual Research Report
小型魚類メダカをモデルとした脊椎動物の味覚情報伝達経路および中枢認識回路網の解析
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11J02194
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
家木 誉史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | WGA / PLC-β2 / 味覚受容体 / メダカ |
Research Abstract |
食品の味覚情報伝達経路の高次中枢までの可視化および、2種以上の味情報の中枢での統合の有無の解明を目的とし、小型魚類メダカをモデルとして使用した。メダカの旨味・苦味を含む味蕾細胞で発現しているPLC-β2遺伝子の制御下で神経トレーサーであるWGAを発現するトランスジェニック(Tg)メダカ(PLC-β2-WGA Tgメダカ)のWGAタンパク質の輸送解析を経時的に行った。具体的には稚魚、3か月齢の若魚、9か月齢の成魚において免疫組織染色を行い、WGAタンパク質の味蕾から中枢への輸送経路を詳細に辿った。この結果、稚魚では味神経および延髄領域までしか輸送が見られなかったWGAタンパク質が、3か月齢、さらに9か月齢になると間脳や終脳といった高次中枢領域の複数の神経核でWGAタンパク質が観察され、検出されたWGAタンパク質のシグナル強度も強まった。 以上の結果からPLC-β2-WGA Tgメダカにおいて、WGAタンパク質が味蕾を起点として日齢とともに徐々に高次中枢まで輸送されることが実験的に示された。 また、メダカのPLC-β2に内包されて発現している味覚受容体遺伝子であるT1Rsと、PLC-β2と排他的に発現する酸味受容体候補遺伝子であるPKD2L1の転写制御領域の取得を目指し、各遺伝子の5'上流域のクローニングを行い、それぞれ5'上流域の配列を取得した。 さらに、メダカの味神経や味覚中枢の局在マーカーとなりうる遺伝子群の取得を試み、哺乳類の味神経や味覚中枢での発現が確認されている遺伝子のオーソログについてin situハイブリダイゼーションにより発現解析を行った。その結果、メダカの味覚中枢において、2種のメダカオーソログ遺伝子の挙現が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PLC-β2-WGA Tgメダカについて、経時的な解析を行ったため、当初の予定よりも時間が多くかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
取得した5'上流域の配列の下流にEGFPなどのレポーター遺伝子を組み込み、メダカ初期胚に微量注入し、プロモーターとして機能するかを確認する。また、PLC-β2-WGA Tgメダカを用いて神経局在マーカーとの二重染色を行う。
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Research Products
(2 results)