2011 Fiscal Year Annual Research Report
アンビエントエレクトロニクス創出に向けた超低電力CMOS集積回路技術に関する研究
Project/Area Number |
11J02394
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大崎 勇士 神戸大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | サブスレッショルド / 超低消費電力 / スマートセンサ / LSI / PVTバラツキ |
Research Abstract |
本研究の目的は,MOSFETのサブスレッショルド領域を利用した超低消費電力センサLSIシステムの設計手法の確立することにある.この目的に向け,本年度は大きく以下の研究課題に取り組んだ. (1)基準電流源回路の提案,試作,評価 MOSFETをサブスレッショルド領域で動作させるには,微小な電流を生成する必要がある.しかしながら,サブスレッショルド領域動作は超低消費電力である一方で,温度変化や製造プロセス変動によって特性が変化する問題がある.そこで本研究では,従来技術である製造プロセス変動に対して安定に動作する基準電流源回路に対して,新たに温度特性を変化させる制御回路を提案した.制御回路自身も微小電流で動作することから,提案回路は安定かつ超低消費電力動作可能である.この研究内容が論文誌に掲載された. (2)レベルシフタ回路の提案,試作,評価 サブスレッショルド領域で動作するディジタル回路は超低消費電力であるが,微小な電流を用いることで回路のドライブ能力が小さくなり,次段の回路を駆動できない問題が発生する,そこで本研究では,電流ではなく電圧に着目し,電圧レベルに応じて信号を生成することでドライブ能力の問題を解決するレベルシフタ回路を提案した.レベルシフタ回路自身も動作時のみ電流を消費することから低消費電力で動作する,この研究内容を国内学会,国際会議で発表し,論文誌に掲載された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超低消費電力センサLSIシステムの実現に向け,基盤技術となる基準電流源回路とレベルシフタ回路を提案した.これらは論文誌に掲載されており,当初予定していた目標を達成できている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,実現した基準電流源回路を用いて,低消費電力で動作するADコンバータを開発する.そして,これらの技術を統合することで,センサLSIシステムを実現する.
|
Research Products
(20 results)