2011 Fiscal Year Annual Research Report
サブミリ波銀河の赤方偏移分布決定による宇宙星形成史およびダークマター分布の解明
Project/Area Number |
11J02477
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廿日出 文洋 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 宇宙星形成史 / 銀河進化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)宇宙の真の星形成史を明らかにすること、(2)サブミリ波銀河の形成・進化過程を明らかにし、他の銀河種族との関係を明らかにすること、(3)サブミリ波銀河の空間分布から、宇宙のダークマター分布を明らかにすることである。本研究員は、南米チリ共和国の標高4860mに設置されたASTE望遠鏡に高感度連続波カメラAzTECのデータを用いて研究を実施してきた。これまで取得されたデータを統合することによって、波長1mm帯での世界最大のサンプルを構築した。この大規模サンプルを用いることで、検出されたサブミリ波銀河の空間分布をこれまで以上正確に求めることが可能となった。角度二体相関関数という手法を使い、サブミリ波銀河の空間分布の特徴を測定した。理論モデルと比較することによって、サブミリ波銀河が付随するダークマターハローの質量を求めることに成功した。さらに遠方や近傍宇宙の銀河種族と比較することで、ダークマターハロー質量の観点でサブミリ波銀河と他の銀河種族との関係、サブミリ波銀河の進化についての示唆を得た。また、サブミリ波銀河が持つ分子ガスの質量、および赤方偏移を探るため、国立天文台野辺山宇宙電波観測所で開発中の45m望遠鏡用新分光計システムめ試験観測にも携わった。2011-2012年冬に観測を行い、複数の明るいサブミリ波銀河から分子ガスを検出することに成功した。これによってサブミリ波銀河の分子ガスの質量や速度の性質について明らかにすることが出来た。さらに、宇宙の星形成活動を明らかにするという目的を達成するため、これまでとは独立なの手法としてガンマ線バースト母銀河の観測も行ってきた。オーストラリアの電波干渉計ATCAを用いて観測を行い、星形成活動に対しで深い制限を付けることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的を達成するために、研究計画の通り、野辺山45m望遠鏡や、オーストラリア干渉計ATCAのデータを取得し、解析を行った。論文報告や、学会・研究会での報告も行っており、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究目的を達成するために観測、データ解析を進める。野辺山宇宙電波観測所やATCAの観測は今年度も予定されており、データ取得、解析を行う。また,Herschel宇宙望遠鏡による観測も進み、データも取得された。海外の共同研究者と協力して、データの解析を行っていく。
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Research Products
(4 results)