2011 Fiscal Year Annual Research Report
反応性の逆転:アルデヒド共存下でのケトン選択的変換反応
Project/Area Number |
11J02667
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八幡 健三 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 反応性の逆転 / ホスホニウム塩 / one-pot反応 / カルボニル基 / ホスフィン |
Research Abstract |
カルボニル基は有機合成化学上最も重要な官能基の一つであり、そのもの自体が生理活性天然物などに含まれるだけでなく、水酸基の前駆体や炭素-炭素結合形成の足掛かりとしても用いることができる。そのため、異なるカルボニル基間で選択的な変換を行う手法の開発が様々な研究グループによってなされてきた。しかしながら、それらのほとんどはより反応性の高いカルボニル基を選択的に変換する手法であり、現在でも反応性の低いカルボニル基を選択的に変換することは非常に困難で、一般性の高い手法の開発が求められている。 このような背景下、我々はより反応性の高いカルボニル基を系中で一時的に不活性な官能基へと変換し残ったカルボニル基を反応させた後に再びアルデヒドを再構築することで、反応性の低いカルボニル基のみを変換することができると考え検討した。検討の結果、アルデヒドとケトンを併せ持つ基質に対してトリフェニルホスフィン存在下にTMSOT fを作用させるとアルデヒド選択的に比較的安定なO,P-アセタール型ホスホニウム塩が生成し、このものに還元剤を加えるとケトン選択的に還元反応が進行することを見出した。この知見をもとにアルデヒド存在下でのケトン、エステル選択的な還元反応およびアルキル化反応を開発することに成功し、本法が高い基質一般性を有する優れた手法であることを明らかとした。さらに、用いるホスフィンをトリフェニルホスフィンからトリエチルホスフィンへと変えることで、ケトンにも塩を形成できることを見出し、ケトン存在下でのエステル選択的な変換反応の開発にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
一般性の高いアルデヒド存在下でのケトンやエステル選択的な変換反応の開発に成功し、さらにそれを応用しケトン存在下でのエステル選択的な変換法も見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した手法は、現段階ではアルキル化と還元に限定されているため、今後はWittig反応などその他の変換反応への適応について検討する。
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Research Products
(5 results)