2011 Fiscal Year Annual Research Report
マウスの減数分裂特異的な新規動原体タンパク質の解析
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11J02684
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 智慧 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 減数分裂 / 染色体 / コヒーシン / 生殖細胞 |
Research Abstract |
生殖細胞特異的に発現する新規コヒーシンサブユニットRad21Lに関する解析を行った。免疫蛍光染色法による検討の結果、卵母細胞においてRad21Lタンパク質は減数分裂の前期のleptotene期からPachytene期にかけて相同染色体のaxial element上に局在することが判明した。興味深いことに、この局在はRec8型コヒーシンと相互排他的なパターンを示していることが判明した。これらの結果から、減数分裂の前期に見られるRad21L型およびRec8型コヒーシンの相互排他的な局在パターンがバーコードの様に作用して、相同染色体のpairingに関与しているのではないかと推測された。さらにRAD21LまたはREC8欠損マウスの卵母細胞を用いて減数分裂初期の染色体構造について比較検討を行った。その結果、それぞれのコヒーシンの欠損により、Axial Element構造および相同染色体の対合に部分的な異常が見られ、さらにRAD21LおよびREC8の二重欠損株ではAxial Elementの形成および相同染色体の対合がほぼ完全に消失した。これらの結果は、先の仮説を支持するものであった。また生殖細胞特異的に発現する別の新規因子についても解析を行った。免疫蛍光染色法による検討の結果、この生殖細胞特異的因子は卵母細胞の前期において動原体に局在することが判明した。この結果より、この新規生殖細胞特異的因子が染色体分配に寄与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析は当初の計画通り遂行することができ、ここで得られた成果は学術誌や学会において公表された。
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Strategy for Future Research Activity |
RAD21LまたはREC8欠損マウスの解析は概ね完了しつつある。一方、生殖細胞特異的に発現する動原体因子の機能欠損マウスを用いた解析が今後の課題である。
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Research Products
(2 results)