2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウスの減数分裂特異的な新規動原体タンパク質の解析
Project/Area Number |
11J02684
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 智慧 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 減数分裂 / 染色体 / 動原体 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
減数分裂1の重要な側面の一つは、均等分裂では、複製された姉妹染色分体は、その動原体部分で反対方向からのスピンドル微小管により引っ張られるのに対し、減数分裂に見られる還元分裂では姉妹染色分体が同一極からのスピンドル微小管によって捕らえられる。体細胞分裂と比較すると、減数分裂では第一分裂にみられる還元分裂が余分に挿入されているだけで、ここにゲノムを半分にする本質的機構があることが分かる。複製したゲノムを反対方向へ分配する(均等分裂)か同じ方向へ運ぶ(還元分裂)かはある意味まったく正反対のことであるが、その違いを作り出している分子機構はよく分かっていなかった。 Yeast two hybrid screeningは哺乳類減数分裂にmonopolar attachmentの減数分裂特定の動原体因子を調査するためにbaitとして、CENP-C(分裂酵母でMoalを接着するセントロメア蛋白質)を使用してマウス精巣cDNAライブラリーからスクリーニングを行った。我々は未知の機能を持つ斬新な減数分裂特定因子MeiCBP1を同定した。 RT-PCRを行うとMeiCBP1のmRNAは他の臓器ではなく、精巣と卵巣の両方だけに発現していることを実証した。 MeiCBP1は両方の卵母細胞と精母細胞の減数分裂prophaseIのPachyteneからmeiosisIに動原体に局在する。また、yeast two hybrid assayではPlk1がMeiCBP1のC末端と相互作用することを示している。 MeiCBPlのin vivoでの役割に対応するために、ノックアウトマウスを生成した。MeiCBP1タンパク質発現の全長はしなかったが、動原体でのタンパク質の発現と局在減少の短い形式が観察された。オスまたはメスの MeiCBP1ノックアウトマウスは、野生型と交配したときに完全な不妊の現象がみられた。驚くべきことに、MeiCBP1のノックアウトマウスではAnaphaseI後でprecocious sister kinetochores separationが観察された。 またMeiCBP1 KOで、分離された単一の染色は、典型的なmetaphaseIIプレートに整列されることはなかった。これらのAnaphaseI後のpremature protection errorは、不妊の原因として考えられる。
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Research Products
(4 results)