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2012 Fiscal Year Annual Research Report

細胞内mRNP動態解析によるmiRNA翻訳制御メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 11J02706
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

泉 奈津子  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)

KeywordsmiRNA / mRNP
Research Abstract

本研究は細胞内から特定のmRNP(mRNA-タンパク質複合体)を生化学的に精製する手法を確立し、これを用いてmiRNAの結合によるmRNPの構成変化を解析することにより、miRNA作用実態の解明を目指すものである。mRNP精製技術を確立するため、昨年度からRNP精製用のタグやレポーターRNAの構造、精製条件など、種々の検討を重ねてきた。しかしながら細胞内からのレポーターmRNP回収効率が著しく低いという問題解決の目途が立たず、現状ではmiRNA結合によるmRNPの構成変化を解析するのは困難であると判断した。このため本年度は、並行して進めてきたpiRNA経路の解析に主軸を移し研究を行った。
piRNAは24-31塩基長のsmall RNAであり、Piwiタンパク質と複合体(piRNA-RISC)を形成し、生殖系列細胞においてトランスポゾンの発現抑制に機能している。本年度は、Hsp90シャペロンのpiRNA経路における役割を明らかにするため、piRNAを内在的に発現するカイコ卵巣由来の培養細胞BmN4を用いて、Hsp90阻害の影響を解析した。その結果(1)Hsp90を阻害すると、カイコPiwiタンパク質であるSiwi、BmAgo3が顕著に減少すること(2)Hsp90阻害により2つのpiRNA合成経路の両方が影響を受け、piRNAが有意に減少すること(3)Hsp90阻害剤存在下では、in vitroでのSiwiへの正確なRNA前駆体の取り込みが抑制され、逆に(本来は取り込みが抑えられている)BmAgo3へのRNA前駆体の取り込みが亢進することを見出した。これらの結果から、Hsp90はPiwiタンパク質を安定化し、正しいpiRNA前駆体の取り込みを促進することでpiRNA生成に寄与していることが示唆された(RNA、印刷中)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

昨年度に引き続きmRNP精製技術の確立を目指したが、レポーターmRNPの回収効率が低いという問題が解決できなかったため。

Strategy for Future Research Activity

mRNP精製技術の確立にはレポーターmRNPの回収効率を上げることが必須であり、この問題点が克服できないと本課題の遂行は難しい。このためmRNP精製技術の開発については現時点で一時保留とし、今後は並行して進めてきたpiRNA-RISC形成の生化学的解析に研究計画を移行する予定である。

URL: 

Published: 2014-07-16  

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