2011 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌プライモソーム構成因子PriCの構造および機能解析
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11J02750
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒牧 峻彦 九州大学, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プライモソーム / DNA複製再開始 / PriC / 構造解析 |
Research Abstract |
大腸菌において、紫外線などにより損傷を受けて複製が一時停止したDNAが再び複製を開始する際に必要とされる複製複合体(プライモソーム)の構成因子の1つであるPriCタンパク質の構造と機能の解析から以下の結果を得た。1)PriC(175アミノ酸)のC端80アミノ酸を所持する変異体(CTD)は、ssDNAのみではなくdsDNAにも結合することが示された。2)CDスペクトルを測定した結果、ssDNA結合時と同様にdsDNA結合時においてもPriCタンパク質の二次構造が変化することが示された。3)bZIPファミリーと呼ばれるロイシンジッパーの1つであるGCN4タンパク質とPriCタンパク質とのアミノ酸配列をアライメントした結果、PriCタンパク質はC端にロイシンジッパー様の一次配列を有していることが示唆された。これはPriCタンパク質のdsDNA結合を支持すると考えられる。4)PriCのDNA結合メカニズムを原子レベルで解析するためにPriC_CTDの構造解析を行なった。種々の条件検討から得られた結晶にX線を照射することで解像度約3.5Aの回折点を得た。5)プライモソームはPriAヘリカーゼやDnaBヘリカーゼを含む複数種のタンパク質からなる高次複合体であると考えられている。プルダウンアッセイによりPriCとの相互作用因子を探索した結果、プライモソームの構成因子を含むいくつかの相互作用因子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CTDの構造解析において条件検討の結果、今後の構造決定へとつながる解像度約3.5Åの回折点を得ることができたため。今後の原子レベルでの解析につながるPriCと相互作用する候補因子をいくつか決定することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
CTDの構造解析に関してNMRを用いて行なう予定であったが、物性が悪いことおよび結晶化条件の検討が順調に進んでいることから、X線結晶構造解析による構造決定を目指す。PriCのC端80アミノ酸には真核生物に保存されたDNA結合モチーフ様の一次配列を含んでいたことから、変異体解析を行なうことでPriCのDNA結合様式を詳細に解析する。PriCとの相互作用因子との相互作用解析をNMR等を用いてより詳細に解析する。
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Research Products
(3 results)