2012 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌プライモソーム構成因子PriCの構造および機能解析
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11J02750
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒牧 峻彦 九州大学, 大学院・薬学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プライモソーム / DNA複製再開始 / PriC / 構造解析 |
Research Abstract |
大腸菌において、紫外線などにより損傷を受けて複製が一旦停止したDNAが再び複製を開始する際に必要とされる複製複合体(プライモソーム)の構成因子の1つであるPriCタンパク質の機能解析から以下の結果を得た。1)PriC(175アミノ酸)およびそのC端80アミノ酸を所持する変異体(CTD)は、いずれもdsDNAよりもssDNAに強く結合することが示された。またssDNAの長さ依存的な親和性を示した。これは以前の報告とも一致した。2)Pricの一次配列上において、転写因子に多く見られるbZIPファミリーに高く保存されている疎水性アミノ酸残基4つをSerに置換させた変異体はCDスペクトル測定の結果から、二次構造が野生型に比べて崩壊しており、Pricにおいても重要なアミノ酸残基であることが示唆された。3)Pricに存在するArgおよびLysをAlaに置換させた変異体19種類を作製しDNA結合解析を行なった結果、いくつかの残基においてDNA結合が低下し、PriCのDNA結合に重要なアミノ酸残基であることが示唆された。4)プルダウンアッセイによりPriCと一本鎖DNA結合タンパク質であるSSBがそのC末同士で相互作用することが示された。5)PriCとSSBがDNA上で相互作用しているか解析した結果、DNA上で両者が相互作用していることが示された。また、DNAの長さによってはPriCがSSBをDNAから解離することが示唆された。さらに、PricにおいてDNA結合に重要なアミノ酸残基のうち、SSBとの相互作用にも重要ないくつかのアミノ酸残基を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたCTDの構造決定には至っていないものの、変異体解析によりPricの重要な機能であるDNA結合に重要なアミノ酸残基および一本鎖DNA結合タンパク質であるSSBとの相互作用に重要なアミノ酸残基を決定することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きX線結晶構造解析によるCTDの立体構造決定を目指す。現在、結晶化条件は大分絞り込めてきており、よりよい回折データを目指す。構造決定後は、変異体解析との関連付けおよび新たな変異体の作製・解析を行なっていく。 また、in vivo解析にも着手しており、Pric野生型および変異体による大腸菌の生育への影響を詳細に解析していく。
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Research Products
(3 results)