2011 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚ノードにおけるカルシウムシグナルの解析と左右決定機構の解明
Project/Area Number |
11J02775
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
高尾 大輔 基礎生物学研究所, 時空間制御研究室, 特別研究員(PD)
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Keywords | マウス / ノード / 左右非対称性 / カルシウム |
Research Abstract |
マウス胚のノード及びその周辺組織での細胞内カルシウムの上昇と,胚の左右非対称性の決定機構との関連を明らかにすることを目的として研究を行った。生きたマウス胚(E7.5)にカルシウム指示薬であるFura-2を取り込ませ,ノード細胞内のカルシウムの濃度の変化を二光子顕微鏡でイメージングするための実験系を構築した。カルシウムシグナルと左右非対称性との関連を調べるため,実験には野生型のマウス胚に加え,左右非対称性に異常をきたす変異体であるiv/ivおよびPKD2ノックアウトのマウス胚も用いた。これらの胚に関して,様々な発生段階における,ノードでのカルシウムシグナルの時空間分布を得ることに成功した。また,得られたデータからカルシウムシグナルの時空間分布を解析するためのプログラムを開発した。現在,カルシウムシグナルの時空間分布について左右非対称性の有無を調べるため,データを詳細に解析中である。 また,ノード流とカルシウムシグナルの関係を調べるため,胚に人工的に液流を与えながらカルシウムシグナルをイメージングできる実験系を開発した。この系を用いた実験は来年度(平成24年度)に行う。 より定量的かつ長時間の観察を行うため,カルシウム感受性蛍光タンパク質であるcameleon-nanoを遺伝子導入したマウスを作製したが,おそらく解離定数が低すぎたため,ノードでのカルシウムシグナルをうまくイメージングできなかった。そこで解離定数の異なるcameleonを遺伝子導入したマウスを作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノードでのカルシウムシグナルの時空間分布を定量化する実験系を完成することができた。これは計画初期の最も重要なステップであり,この成功により,今後の研究を計画通りに進める見通しが立った。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な方針に変更はない。ノードでカルシウム上昇を引き起こす経路が特定できていないため,阻害剤を用いた実験で経路の特定を急ぎたい。またある程度の成果が得られつつあるので学会等でも積極的に発表し広く専門家と議論して研究の進展に生かしたい。
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