2011 Fiscal Year Annual Research Report
Pab1pによる翻訳非依存のmRNA安定化機構と新たなNGDの分子機構の解明
Project/Area Number |
11J02837
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坪井 達久 東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | mRNA / 品質管理機構 / Dom34 / Hbs1 / Pelota / NGD / NSD / Ribozyme |
Research Abstract |
mRNA品質管理機構の一つであるNGD(No Go Decay)は人工的な二次構造等により翻訳伸長が阻害されたリボソームを認識し、その配列近傍でmRNA分子内切断を引き起こす。Dom34:Hbs1複合体はNGDにおいて翻訳伸長が阻害されたリボソームを解離することで、mRNAの分子内切断(NGD)を促進すると考えられてきた。また、これまで我々はノンストップmRNAのポリ(A)鎖の翻訳が翻訳アレストを引き起こし、mRNA及び翻訳産物の分解を促進することを明らかにしてきた。 本年度、我々は、Dom34:Hbs1複合体が、NGDとNSD(Non-Stop decay)の2つの経路において、NGDの5'側切断断片(5'側NGD中間産物)及び、ノンストップmRNAを分解するために必要であることを明らかにした(Tsuboi et al., Mol. Cell, 46:1-12,2012)。 ハンマーヘッドリボザイム配列(Rz)をGFPの下流に挿入し、人工的な5'側NGD中間産物、GFP-Rz mRNAを発現させ、その翻訳産物を解析した。その結果、dom34欠損株において、GFP-Rzの翻訳産物がポリソーム画分に存在し、かつペプチジルtRNAとして検出された。従って、Dom34:Hbs1複合体が5'側NGD中間産物の3'末端で停止したリボソームの解離を促進することが示唆された。さらに、Dom34:Hbs1複合体により、エクソソームによる5'側NGD中間産物の分解が促進された。また、Dom34:Hbs1複合体はポリ(A)鎖を持つノンストップmRNAの分解にも必要であった。この結果は、ノンストップmRNAではリボソームがポリ(A)鎖末端まで翻訳伸長し、Dom34:Hbs1複合体によりリボソームが解離されることを示唆している。以上の結果から、Dom34:Hbs1複合体が、ノンストップmRNAの3'末端で停滞したリボソームを解離することで、エクソソームによる3'→5'方向の分解を促進する機能を持つことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pab1pによる翻訳非依存のmRNA安定化機構に関する研究に関しては、DC1申請後、昨年度、Journal of Biological Chemistryに論文として発表したため、今年度は大きな研究成果を発表するに至らなかった。一方で、新たなNGDの分子機構の解明に関しては、今年度Molecular Cellに論文として発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
NGDの分子機構の解明を目的として、現在、NGDが引き起こされている内在性mRNAの解析を行っている。核にコードされた、ミトコンドリア輸送配列を持つ遺伝子においてNGDが引き起こされることを明らかにし、また、そのmRNA分子内切断に必要なmRNA上の配列を同定している。さらに、翻訳産物上のミトコンドリア輸送シグナルが切断に促進的な働きを持つことが示唆される結果を得ている。本研究により、これまで明らかにされてこなかったNGDの生理学的な意義を明らかにできると考えている
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Research Products
(6 results)