2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J02974
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 孝文 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非鉛化 / 圧電セラミックス / 水熱合成法 / ニオブ酸カリウムナトリウム |
Research Abstract |
現在、圧電材料の多くは環境負荷の大きい鉛を含むPZTが使われており,鉛を使わない圧電材料の開発が精力的に行われている。本研究では高品質粉末が合成できる水熱合成法を用いて、良好な圧電特性を示す非鉛圧電セラミックスであるニオブ酸カリウムナトリウム系材料の合成を行う.通常,固相反応法を用いて原料となるセラミックス粉末を得るが,下記のような問題が生じる.原料粉末の炭酸カリウムは潮解性のために精密な秤量が困難である.熱処理の際,カリウム原子とナトリウム原子が蒸発するため合成後の粉末中のNbとKの組成が1:1になりにくく,焼結体は吸湿性を持ってしまう.仮焼により粉末粒子が粗大化し,ボールミルによる粉砕が必要になるため,粉砕の時間がかかり(20時間程度),粉砕工程でも不純物が混入してしまう.ここで,水熱合成法を用いて粉末の合成を行えば下記の様に固相反応の問題を解決できる.200℃程度の低温合成ができる.炭酸カリウムを使わずに合成できるため,原料を精密に秤量できる.KNbO_3中のNbとKの組成比は水溶液中で自動的に1:1となる.水溶液中のイオン反応のため微細な粉末を得ることができる.本研究では、高品質水熱合成粉末を利用した高い圧電特性を持つNKLNセラミックスの合成を目的とする.最終的に,作成した非鉛圧電セラミックスを用いてハイドロホンセンサの実験を行い,非鉛圧電材料に関する基礎的知見を得る.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水熱合成(K,Na)NbO_3とLiNbO_3のMPBを発見し,圧電定数を200pC/Nを超えることができた,また,合成した非鉛圧電セラミックスを用いて超音波モータとハイドロホンの試作に成功した.合成した非鉛圧電セラミックスのアプリケーション応用まで完了させることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
非鉛圧電セラミックスのハイドロホンとしてのシミュレーションを行う.
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Research Products
(3 results)