2013 Fiscal Year Annual Research Report
不応性貧血の病態解明を目的とした赤芽球分化成熟誘導機構の解明
Project/Area Number |
11J02996
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 朋子 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 赤血球 / 胎仔肝臓 / 脱核 / 終末期分化成熟 / 不応性貧血 |
Research Abstract |
平成25年度は、前年度に引き続き、分化成熟制御分子の候補分子の発現解析・機能解析・シグナル解析を行った。 (1)候補分子の発現解析 ; 終末期分化成熟関連分子の最終候補分子として膜受容体Yに注目し(特許[特願2012-182058]秘匿事項)研究を推進した。Y発現解析を行う為、抗Yモノクローナル抗体を作製し、最終的に活性が高い2クローンを選出した。ハイブリドーマ培養上清由来及び腹水由来精製抗体を用いてwestern blot法・免疫染色法にてquality checkを行い、クローン29F7の特異性が高いことを確認した。当精製抗体を用いて、ヒト赤白血病細胞株及び末梢血におけるY発現を確認した。 (2)候補分子の機能解析 ; 胎生16.5日目のマウス胎仔肝臓より、Y発現細胞を選別し、分子Yに対する±リガンド条件下、赤血球系細胞への分化培養を行った。リガンド添加条件でCD71-/Ter119+(成熟赤血球)細胞への誘導亢進(4.1倍)及びグロビン遺伝子発現亢進を認めた(Hba-a1 ; 3.2倍,」Hbb-b1 ; 5.2倍)。『リガンド―Y』シグナルは終末期赤血球造血を亢進することが示唆された。さらにYに対する中和抗体を共同研究者から入手し、マウスへの投与実験を行った。 (3)候補分子のシグナル解析 ; ヒト膀帯血及び末梢血を用いて±リガンド培養後、c-Kit-/CD45-/GPA+分画をフローサイトメトリー法にて採取した。続いてProteome profiler human phospho-kinase array kitを用いて『リガンド―Y』下流のシグナル解析を行った。終末期赤血球分化成熟に関与が示唆されるシグナル分子を最終的に3つに絞り込んだ。 全体として終末期赤血球造血に関与する分子を2分子同定し正常マウスにおける発現解析を終了した。このうち1分子に関しては機能解析及び下流のシグナル探索まで終了し、正常終末期赤血球造血における分子基盤を一部解明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(7 results)