2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規担持型Pd触媒を利用した立体的に多様な低分子化合物ライブラリーの構築
Project/Area Number |
11J03163
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
星谷 尚亨 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | フォスフィンリガンド / パラジウム触媒 / クロスカップリング / 化合物ライブラリー |
Research Abstract |
本研究では、パラジウム(Pd)触媒を用いる鈴木-宮浦カップリング反応および炭素一窒素カップリング反応が、カギとなる。そこで、本研究目的を達成するために、平成24年度前半は昨年に続き、炭素一窒素カップリング反応の開発であるBuchwald教授の研究室に留学し、Pd触媒を用いるカップリング反応に関する研究の遂行を計画した。 Buchwald教授のもとで研究し、最先端のPd触媒カップリング反応に関する研究に従事することは、本研究においてより多様性のある化合物ライブラリーを作るために、重要である。そして、24年度後半は、北海道大学で本研究テーマを進めた。 【Bculwad研での研究成果】 研究テーマ:嵩高いジアルキル置換ビアリルリガンドの新規合成法開発 背景:市販されているt-BuBrett Phosの合成法は大きな3つの問題を抱えていた。(1)引火性の高いt-BuLiを2当量使用、(2)生成物から除去が困難なCuClを量論量使用、(3)反応時間が60時間と長く、収率53%と低収率。 成果:+BuLiの代わりにGrignar試薬の利用することで、t-BuLiを用いずに、触媒量のCuClを用いて、反応時間20時間、収率89%でt-BuBrett Phosを合成可能な反応条件を見出すことが出来た。 研究テーマ:新規ビアリル型キラルリガンドの創成研究 背景:ビアリル型フォスフィンリガンドは、有機合成上有用であるにもかかわらず、キラルなタイプのリガンドはほとんど報告がない。そこで、新たなキラルリガンドの創出をめざし、ビフェニル型フォスフィンリガンドの創出を目指した。 成果:6種の新規キラルリガンドを合成し、評価することで、より高収率およびより高不斉収率を与え得るキラルリガンドをさらに3種設計し、合成した。現在は、このリガンドを用いて不斉反応の開発が行われている。 【北海道大学での研究成果】 前回までの課題:鍵反応となる新規担持型パラジウム触媒SAPdを用いる鈴木一宮浦カップリングにおいて、反応時間が24時間と長かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
留学していたことで、本研究の進捗に若干の遅れがある。しかしながら、帰国後にか、鍵反応となる鈴木一宮浦カップリングのより良い反応条件を見出し、反応時間を短縮できたことから、残りの1年で本研究が大きく進展すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
・新規担持型パラジウム触媒SAPdによる種々のボロン酸を用いる鈴木一宮浦カップリングをおこなうことによりさまざまな複素環を導入した化合物を合成する。 ・合成したカップリング成績体をもちいて、目的とする化合物ライブラリーを構築する。 ・合成した化合物ライブラリーの活性を評価し、考察することで、よりよい分子を設計し合成する。
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Research Products
(3 results)