2012 Fiscal Year Annual Research Report
高次元SUSY-GUT理論を用いた現象論的、宇宙論的モデルの構築
Project/Area Number |
11J03466
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 学 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超対称性 / インフレーション / ダークマター / グラビティーノ |
Research Abstract |
今年度は、前年度までに構築した「超対称性の破れとインフレーション模型とが関連した現象論的な宇宙論モデル」について引き続き積極的に研究に取り組んだ。本研究の目的は、現象論的に好ましく超対称性を破るゲージ媒介模型と宇宙論的に好ましいインフレーション模型を一つの模型の中で両立することにあった。これら双方を同時に両立することによって、宇宙初期のインフレーション期から再加熱時、超対称性の破れまでを非常にシンプルなモデルの中で見通しよく議論することが可能になる。 これまでに構成した模型は、オラファテモデルと呼ばれる超対称性が破れる非常にシンプルな模型であり、インフラトンはこのオラファテモデルの中の場と同定され、ハイブリット型のインフレーションが実現される。また超対称性の破れは標準模型のゲージ相互作用で伝えられるゲージ媒介模型である。この模型の特徴として以下の2点がある。 1模型には超対称性を破る真空と超対称性を保つ真空が存在するが、インフレーションがうまく引き起こると自然に超対称性を破る真空が選ばれる。 2インフレーション後の再加熱時に現在の観測によって許される量よりも多くのグラビティーノ(この模型でのダークマターはグラビティーノである)が生成されるが、超対称性の破れに伴って存在するシュード・ゴールドストーンポソンの振動により観測的に矛盾しない量まで薄められることにある。 高エネルギーの物理現象であるインフレーションと比較的低エネルギーの物理現象である超対称性の破れが一つのシンプルな模型内で実現することができるという点で非常に興味深い結果を得た。
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