2012 Fiscal Year Annual Research Report
グラフェンにおける良好なスピンコヒーレンスと単一スピン操作の実現
Project/Area Number |
11J03876
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
唐 振堯 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スピンポンピング / グラフェン / スピン輸送 |
Research Abstract |
本年度において、私は単層グラフェンでのスピン蓄積と輸送について検討した。単層グラフェンへの動力学的スピンポンピングおよび純スピン流の室温伝播に関する論文をPhysical Review B誌にRapid Communicationとして掲載することができた。スピントロニクス研究、特に分子スピントロニクスにおいて、電気的スピン注入と非局所手法によるグラフェンの純スピン流の生成は最も注目ざれている。しかし、今まで実験で得られた単層グラフェンのスピン拡散長は理論値より短いことが知られ、グラフェン中のスピン輸送の詳細についても未だ明らかにされていないです。そのため、グラフェンにおけるスピン注入と輸送の新しい技術と概念の確立、新しい視点からグラフェンへのスピン輸送現象を検討することが求められている。そこで、私は単層グラフェンにおける純スピン流の注入及び生成の新しい方法、つまり電気的スピン注入と電気的局所方法を使用せずに単層グラフェンで純スピン流を生成させるスピンポンピング法について検討した。スピンポンピング誘起スピン注入法は、強磁性体/単層グラフェン界面の電気抵抗不整合によるスピン注入効率低下の問題を解決でき、電気的方法に比べ、より純粋なスピン流が生成でき、かつ、従来法と異なり、スピン輸送の直接観測が可能である。この成果により、グラフェンでのスピン輸送の物理学的な研究において、新しいプラットフォームを確立できた。さらに掲載された論文は、Editors' Suggestionにも選定されるなどこの研究は高く評価されています。それも国際会議であるIUMRS-ICEM2012におけるYoung Scientist Awardを受賞された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度研究では、単層グラフェンへの動力学的スピンポンピングおよび純スピン流の室温伝播に関する論文をPhysical Review B誌にRapid Communicarionとして掲載することができた。更に、それは国際会議であるIUMRS-ICEM2012におけるYong Scientist's Awardの受賞されました。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)単層グラフェンでのスピン輸送の輸送機構の解明 現在単層グラフェンでのスピン輸送は多く観測されるが、その輸送機構については未だ明らかにされていない。そのため、今後の研究においては単層グラフェンでのスピン輸送機構について追究する予定である。単層グラフェンのスピン拡散長の温度依存性の測定も研究する予定である。 (2)理論面の更なる理解の深化 新たな物性物理学的知見を得だしているので、今後も引き続き効率よく研究を進め、理論面の更なる理解の深化と併せる予定である。
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