2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J03906
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桶葭 興資 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 人工光合成 / ゲル / 周期構造 |
Research Abstract |
エネルギー資源の問題が叫ばれる今日、人工光合成に関する研究が急速に高まっている。特に自然エネルギーでは太陽光エネルギーと水を利用したエネルギーサイクルへの関心は著しく、無機物質、有機物質を問わず様々な機能性分子が開発されている。これに対し、本研究では、複数の機能性分子が必須な人工光合成システムの実現に向け、光エネルギーの吸収波長を考慮した材料の階層構造化をねらう。本年度は渡航先の研究室において、材料自体に周期構造を導入することで、光導波路による光エネルギーの高吸収化をはかった。また、光増感部位を架橋点とした高分子網目構造を設計・作製し、その網目中における電子伝達制御を行った。さらに、多機能分子として働く架橋点に着目し、ゲルの膨潤・収縮を誘起する駆動力を検証した。 1)ゲルに2D周期構造を導入し、光誘起化学反応の制御を行った。構造の周期間隔、屈折率差と化学反応の速度の相関から、特定波長の吸収増幅効果を検証した。特に、ゲル相と液相における異相界面の屈折率制御をねらった。 2)周期構造を3Dに拡張した異相界面を作製し、相をまたいだ光誘起化学反応の制御を行った。2D周期構造の場合と同様、周期間隔、および屈折率差を検証し、さらに、光エネルギー変換プロセスの高効率化・高次機能化をねらった。 以上の手法から、界面における屈折率差を利用することで、光エネルギー吸収から電子伝達反応における新規材料創製の指針を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一年度目の分子論的観点の研究内容をすでに国際会議にて発表し、論文投稿段階である。また二年度目の研究内容は、海外渡航先において材料の物理的性質に着目し、その材料作製および光学物性の検証を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
光エネルギーによって誘起する化学反応の反応場を周期構造を持つ材料中で行うことで、光エネルギーの吸収性を高め、化学反応へのフィードバック効果を検証する。実際の光合成を行う葉緑体内部において層状の周期構造が見られることに着目し、人工光合成ゲルシステムに周期構造を導入する。
|
Research Products
(2 results)