2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規G蛋白質共役受容体の構造解析と構造に基づいたリガンド設計
Project/Area Number |
11J04341
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中根 崇智 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | G蛋白質共役受容体 / 構造生物学 / X線結晶回折法 / 膜蛋白質 / ハイスループット |
Research Abstract |
(1)受容体発現コンストラクトの安定化 構造解析においては、安定な受容体を大量に生産することが不可欠である。しかし野生型の受容体は発現量が少ないうえ、極めて不安定である。そこで、オレキシンOX2R受容体について第3細胞内ループへのT4リゾチームの挿入および末端の欠失変異体をスクリーニングした結果、Pichia pastorisにて高発現かつ安定性の高いコンストラクトを得た。アンジオテンシンAT2受容体、トロンボキサンTP受容体、プロスタグランジンEP2受容体などについても、同様の変異体をスクリーニングした。 (2)受容体の生産 結晶化に向けて、上記OX2R受容体変異株をPichia pastorisによって大量生産している。 (3)抗体作成 小笠原研究員・浜窪研究室らの協力により、ニューロキニンNK2R受容体およびOX2R受容体の抗体作成を試みた。NK2R受容体について構造認識抗体を取得できた。 (4)ハイスループット化 出芽酵母における相同組み換えを利用した変異体作成法を簡便ならしめるため、PCRプライマーとテンプレート配列を入力することにより相同組み換え後の配列を予想し、フレームシフトなどのプライマー設計ミスを検出するソフトウェアを開発した。また、蛍光ゲル濾過法による蛋白質の単分散性評価をハイスループット化するため、高速液相クロマトグラフィー(HPLC)データの自動処理ソフトウェアを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オレキシン受容体については、ほとんど発現しない野生型から高発現な変異体を樹立することができ、大きな成果だと考えている。また、ソフトウェア開発も順調であり、作業の効率化に貢献している。
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Strategy for Future Research Activity |
オレキシン以外の受容体については、まだ安定性・発現量の点で不十分であるため、さらに最適化を進めたい。オレキシン受容体については、大量生産を続けて、構造決定を目指したい。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Evaluation of the Pichia pastoris expression system for the production of GPCRs for structural analysis2011
Author(s)
Asada, H., Uemura, T., Yurugi-Kobayashi, T., Shiroishi, M., Shimamura, T., Tsujimoto, H., Ito, K., Sugawara, T., Nakane, T., Nomura, N., Murata, T., Haga, T., Iwata, S., Kobayashi, T
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Journal Title
Microbial Cell Factories
Volume: 10
DOI
Peer Reviewed
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