2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J04365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浜向 直 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 等高面法 / 結晶成長現象 / ハミルトン・ヤコビ方程式 / 粘性解 / 符号付き距離関数 / 均質化理論 |
Research Abstract |
平成25年度は、ハミルトン・ヤコビ方程式に対する等高而法の改良について研究した。等高面法は、結晶表面などに代表される曲面(界面)の運動を追跡するための技法で、各時刻における曲面をある補助関数のゼロ等高面として表示し, その補助関数に対する偏微分方程式(等高面方税式)を解くことで曲面の動きを求める。しかし時間が経つにつれて解の傾きが小さくなることがあり, このとき計算機では等高面を正確に取り出せなくなるという問題がある。そこで、元の等高面方程式を適当に修正することで、傾きが小さくならない解を得ることを目的に研究を行った。界面への符号付き距離関数は傾きが1であるという事実に着目し、1 : 符号付き距離関数との比較、2 : 符号付き距離関数への収束、という二つのアプローチに基づいて修正方程式を導入した。以下にその内容と成果を述べる。 1 : 界面運動が滑らかであると仮定し、その界面への符号付き距離関数が満たす方程式をテイラー展開して得られる方程式を修正方程式として採用した。そして、初期値が初期界面付近で符号付き距離関数に等しいとき、初期値問題の粘性解が時間大域的にも符号付き距離関数に十分近いことを、比較定理を用いて証明した。 2 : 元の等高面方程式に、解の傾きを1に補正する効果を持つ項を付け加えた方程式を修正方程式として採用した。そして、補正項の係数であるパラメータを無限大にしたときに、初期値問題の粘性解が界面への符号付き距離関数へと収束することを証明した。また、この修正力程式は、元の等高面方程式と、時間微分が補正項に等しいという方程式とを交互に解く操作を考えたときに、その時間幅を0にしたときの極限を考えることで得られることも明らかにした。これは、時間に関しての均質化理論の応用として示される。この二つの方程式を解く時間比が、修正方程式のパラメータとして現れることも分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(13 results)