2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J04516
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田根 将志 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 成体心筋細胞 / 細胞周期 / サイクリンD1 / CDK |
Research Abstract |
マウスの心筋細胞の増殖は胎生期の形態形成過程で活発だが、生後に分裂を停止し、その状態が終生維持される。よって、心筋梗塞等によって心筋細胞が失われてしまっても全く再生ができないため致死の原因となる。このことから、成体心筋細胞における増殖停止メカニズムの解明することは、その生物学的意義とともに心臓再生を実現させるためにもきわめて重要である。これまでに成体心筋細胞を細胞周期へ移行させる目的で、薬剤であるタモキシフェン(Tam)の投与により任意の時期で心筋細胞特異的にcyclin D1を発現させることができるマウスを作製しその詳細を解析してきた。現在までにその心筋細胞の多くは細胞周期を再開したにも関わらず分裂期へ移行した細胞が殆ど検出できなかったため、未知の機構により細胞周期の途中で再停止したことが判明している。本研究はいつ・どのような機構によってこの細胞周期再停止は引き起こされるのかを明らかにすることを目的とする。当該年度では、細胞周期のいつの時期にこの再停止が引き起こされたのかを明らかにするため、酵素処理により単一の心筋細胞に解離・固定した後にスライドガラス上に塗抹し、DNAを染色した後に顕微測光を用いてDNA含量の測定を行った。この結果、多数の心筋細胞がcyclin D1の発現誘導により細胞周期を進行したことが確認された。さらに、これらの細胞はG2/M期で再停止していることが判明した。現在、その詳細を解析している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当研究の問題点として、細胞周期のいつの時期に再停止が引き起こされているのか明らかでなかった。当該年度の研究で、心筋細胞を解離して顕微測光を用いたDNA含量の測定を行う方法を構築した。この手法を利用してcyclin D1の発現誘導後の細胞周期再停止の時期を明らかにすることができた。このことは、未知の増殖再停止機構を探索する上で重要な手掛かりとなる。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、どのような機構でG2/M期停止が引き起こされているのかを詳細に解析を進めている。
|
Research Products
(2 results)