2011 Fiscal Year Annual Research Report
組織内酸素分圧による造血器腫瘍幹細胞維持機構の解明と制御法の開発
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11J04561
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 千春 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 白血病幹細胞 / 慢性骨髄性白血病 / 低酸素 |
Research Abstract |
白血病幹細胞(leukemic stem cell;LSC)の残存は、再発・治療抵抗性の一因であるが、LSC維持の分子機構は未だ十分には解明されていない。報告者の属する研究室ではこれまで成体骨髄における活性酸素種と低酸素環境のHSCへの影響について研究してきた。今回、報告者はHSCと同じく低酸素環境に存在すると推定される慢性骨髄性白血病(CML)-LSCの新たな治療標的を同定するために、CMLマウスモデルを用いて、CML-LSCに特異的に発現している細胞表面マーカーを探索した。まず、正常マウスの骨髄の造血幹細胞分画(Lineage-Sca-1^+c-Kit^+:LSK)にp210BCR/ABLレトロウイルスベクター(pMYp210BCR/ABL-IRES-GFP)を感染させFACSで分取後、レシピエントマウスに骨髄移植し、CMLモデルマウスを作製した。このCMLモデルマウスの骨髄のLSK分画のみが2次移植でCMLを発症させることが既に報告されている(Nature2010)。そこでCMLモデルマウスの骨髄細胞を採取し、GFP陽性と陰性の集団に分け、さらにGFP陽性集団からLSK分画と、より分化した細胞集団であるLineage-Sca-1-c-Kit^+;KLS-分画を分取し、GFP陰性のLSK分画と合わせ、他の腫瘍幹細胞で指摘されている細胞表面マーカーや造血幹細胞に関連する細胞表面マーカーの発現をFACSにて解析した。その結果、GFP陽性LSK分画に特異的に発現している細胞表面マーカーを見出した。BCR/ABLレトロウイルスベクターを感染させた正常マウスの骨髄由来LSKを、このマーカーの陽性群と陰性群に分けて骨髄移植したところ、陽性群のみでCMLを発症することが明らかになり、このマーカーの陽性分画はCMLの治療標的となる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CML-LSCに特異的に発現している細胞表面マーカーを見出し、かつその病態的意義を明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
このマーカーのノックアウトマウスの骨髄由来LSKを用いた場合にCMLの発症がどのような影響を受けるか評価する予定である。また、このマーカーの阻害薬によるCMLの治療モデルも検討している。
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