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2012 Fiscal Year Annual Research Report

個体発生および脳機能における平面内細胞極性因子の役割の解明

Research Project

Project/Area Number 11J04598
Research InstitutionNational Institute for Basic Biology

Principal Investigator

橋本 昌和  基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 特別研究員(PD)

Keywords細胞極性 / 形態形成 / 鼻
Research Abstract

昨年度作成したhypomorphicなアレルであるPk1 △ex6/△ex6マウスは生後まもなく致死となるが、鼻顎、四肢、尾の形態に顕著な異常が見られた。この表現型は非古典的Wntの代表であるWnt5aやその受容体であるRorのノックアウトマウスと共通していることから、Prickle1はWnt5a/Rorシグナルの下流であることが考えられたので、Wnt5aとPk1△ex6のダブルヘテロマウスを作製したところ、Pk1やWnt5aのホモ変異マウスにくらべればマイルドではあるが予想通り鼻顎/四肢が低形成となった。このことからPk1はWnt5a/Rorシグナルの下流で鼻顎の形態形成に重要な役割を果たしていることが示唆された。
Pk1の鼻形成おける役割をより詳しく調べるため、Pk1の発現バターンを確認したところ、Pk1は鼻中隔および鼻甲介の軟骨に特異的な発現を示していた。この軟骨組織は発生期における鼻の構造の基本骨格となるものであり、後の鼻骨の形成にも影響を及ぼす重要な組織である。
次に、Pk1 △ex6マウスの鼻中隔構造をより詳細に観察するため、POマウスのhorizonta1切片を作製しHE染色によって細胞の形態を確認したところ、野生型では左右に細長く伸びる極性を持った細胞が整然と積み重なって遠位側に伸張しているのに対し、Pk1 △ex6マウスではその細胞極性が若干損なわれていた。より鼻が低形成となるWnt5aノックアウトマウスについても同様に調べたところ、こちらではより顕著に鼻中隔軟骨細胞の極性が失われ、丸い形態をした細胞が蓄積しており、遠位側への伸長が損なわれていた。
Wnt5aは鼻や顎の遠位側の先端で発現があることから、鼻中隔軟骨組織は遠位側より分泌されたWnt5a蛋白質の濃度勾配を受けて、内在の平面内細胞極性因子Prickle1依存的に細胞極性を獲得し、組織を伸張させていることが考えられる。実際に、人為的に全身でE10からWnt5aを過剰発現させたマウスでも鼻低形成になることが報告されていることから、Wnt5aタンパクの存在自身ではなく、遠位-近位にかかる濃度勾配がPricklel依存的に鼻中隔軟骨組織を極性化させるのに重要であることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

間葉系細胞における平面内細胞極性因子の役割について注力して調べてきたが、鼻中隔軟骨組織の伸長という新たな局面を発見し、その細胞レベル、分子レベルでのメカニズム解明に貢献する研究成果を得た。

Strategy for Future Research Activity

Wnt5a週剰発現マウスで細胞の形態がどうなるかを調べる。
上記内容を論文にまとめる。

URL: 

Published: 2014-07-16  

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