2013 Fiscal Year Annual Research Report
Ras-PI3Kシグナルによるエンドサイトーシスとウイルス感染制御機構の解明
Project/Area Number |
11J04616
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤岡 容一朗 北海道大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | エンドサイトーシス / Ras-PI3K / インフルエンザウイルス / カルシウム |
Research Abstract |
我々はこれまでにRasの標的因子であるPI3Kのエンドゾーム移行がエンドサイトーシスを制御することを明らかとしており、インフルエンザをはじめとする複数種のウイルスは宿主細胞のRas-PI3Kシグナル活性化を介してエンドサイトーシスを促進し、この亢進したエンドサイトーシスに便乗して巧妙に侵入することを報告している。昨年度までに、"PI3Kに特徴的な配列に結合する因子が、Ras-PI3K複合体の局在制御を介してエンドサイトーシスによる物質取り込みやウイルスの宿主細胞侵入に関与する"という仮説のもと、この配列を欠損したPI3KのRas結合領域とRasの複合体の細胞内挙動を追跡したところ、増殖因子刺激依存的なエンドゾームへの移行は見られずゴルジ装置付近に蓄積した。また、上記アミノ酸配列にエピトープタグもしくは蛍光タンパク質を融合して培養細胞に発現させたところ、エンドサイトーシスとウイルス感染が抑制された。以上から、上記仮説を支持するデータが得られており、本年度は、この配列に結合する因子を北海道大学大学院生命科学院小布施力史教授との共同研究によりMS/MS解析を用いて網羅的に探索した。その結果、ユビキチン化関連タンパク質、細胞骨格関連タンパク質をはじめとする、40個の候補因子が同定された。それら因子をクローニングし、免疫沈降法を用いてPI3Kとの相互作用を検討した。PI3Kとの結合が確認された因子に対して、蛍光タンパク質を融合し培養細胞に発現させ、蛍光顕微鏡による観察を行ったところ、エンドゾームへの局在が確認された因子を特定した。以上の結果から、特定された因子は上記の仮説に関与することが示唆され、現在はRNA干渉を用いた発現抑制を行い、Ras-PI3Kのエンドゾーム移行、およびエンドサイトーシスへの関与を検討している。最終的には、エンドサイトーシスの緻密な制御機構の解明につなげたい。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Beneficial innate signaling interference for anti-bacterial responses by a TLR-mediated enhancement of the MKP-IRF3 axis2013
Author(s)
Negishi H, Matsuki K, Endo N, Sarashina H. Miki S, Matsuda A, Fukazawa K, Taguchi-Atarashi N, Ikushima H, Yanai H, Nishio J, Honda K, Fujioka Y, Ohba Y, Noda T, Taniguchi S, Nishida E, Zhang Y, Chi H, Flavell RA, Taniguchi T
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Journal Title
Proc Nat1 Acad Sci U S A
Volume: 49
Pages: 19884-19889
DOI
Peer Reviewed
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