2011 Fiscal Year Annual Research Report
パニック障害における恐怖の制御困難に関する心理-生理学的検討
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11J04761
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉村 晋平 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | パニック障害 / fMRI / 認知行動療法 |
Research Abstract |
本研究課題は、パニック障害における恐怖の制御困難に関運する脳機能の異常をfunctional Magnetic Resonance Imaging(fMRI)によって検討し、パニック障害の病態解明と新たな心理的治療を開発することを目的としている。 平成23年度においては、fMRIで用いる実験課題を作成し、課題の妥当性を検証することを計画した。実験課題は、安全性の確認されている電気刺激により人体に疼痛刺激を呈示し、その疼痛刺激に対する恐怖を喚起するものであった。さらに、恐怖に対してセルフコントロールを行い恐怖を低減させるように操作した。この課題により恐怖が喚起され、操作によって恐怖が低減するかを確認するために、健常者15名に対して課題遂行中の主観的な恐怖反応と皮膚電位反応の測定、fMRIの測定を行った。 この実験の結果、本課題において主観的な恐怖反応が疼痛刺激の呈示によって喚起され、低減操作によって恐怖反応が低下することが示唆された。また、皮膚電位反応からは疼痛刺激の呈示によって生理的にも恐怖反応が生じていたことが示された。fMRIの測定からは恐怖の低減操作に伴って前頭前野領域の賦活が示された。 本研究め意義は電気刺激を用いることで生態学的に妥当性の高い方法で恐怖を喚起し、喚起された恐怖を心理的操作によって低減されることを示した。さらに、fMRIによってこれらの心理的過程に関連する脳機能を同定することに成功した。これまでにネガティブ情動のセルフコントロールに関連した脳機能画像研究は多く報告されているが、本課題の様に恐怖に焦点を当てたものはほとんどない。これらの成果は現在論文に編纂し、投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
受け入れ研究室の変更があり、研究の中断があったため計画よりも実験の進行や論文投稿が遅れている。一定の成果は得られたため、この段階で集められたデータを成果として報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画では2年目にパニック障害患者を対象とした実験を予定している。既に募集と基礎検討は始めており順調に研究参加者を集めることができれば、予定に従って研究を推敲できると考える。
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Research Products
(8 results)