2012 Fiscal Year Annual Research Report
TGFβによるTh17分化制御機構の解明と膠原病治療への応用
Project/Area Number |
11J04861
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武藤 剛 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013-03-31
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Keywords | サイトカイン / TGFβ / 組織障害 / ヘルパーT細胞 / シグナル伝達 / ノックアウトマウス / 抑制性T細胞 / アレルギー |
Research Abstract |
TGFβは免疫制御の中心的な役割を果たしており、特に末梢でのTh1,Th2の抑制と抑制性T細胞,Treg誘導作用を有する。本研究においてはTregの発生と機能発現についての研究を行う。 本年度はTregにおけるTRAF6(Tumor necrosis factor(TNF)receptor-associated factor 6)の役割をTreg特異的TRAF6欠損マウスを用いて解析を行った。この欠損マウスは発生における明らかな異常は認めないものの、驚くべきことに生後4週以降徐々に(16週までには全例で)、全身の著明なリンパ節腫脹・皮膚炎・関節炎を伴う炎症を自然に発症することが明らかになった。 胸腺のTreg数には有意差は認めないが、脾臓・リンパ節のTreg数は欠損マウスで著増していたが、CD44をマーカーとするメモリーT細胞も増加していることから、これは全身の激しい炎症の結果であると推定した。さらに血清IgE値の著増、脾臓からのIL-4,IL10産生の亢進を認め、脾臓で大量のIgE産生細胞を免疫染色で認めたことより、この欠損マウスの自然炎症の本態はTh2型であることが示唆された。これらよりTRAF6欠損TregがTh2型炎症の抑制能を欠いている可能性が示唆されたことから、Tregの抑制能を評価したところ、特にin vivoモデルにおいて有意にTRAF6欠損TregがナイーブT細胞を抑制する能力に劣ることが判明した。さらなる解析およびキメラマウスの解析より、TRAF6欠損Tregはin vivoで生存が不安定であることが示唆され、これがTRAF6欠損Tregの抑制能の低下と関連がある可能性がある。このin vivoにおける生存の不安定性が、Tregの可塑1生によるものか、Tregそのものの生存不安定性によるものか、今後解析を進めていく。
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Research Products
(1 results)