2013 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害における自動的な共同注意機能障害の心理・神経メカニズムの解明
Project/Area Number |
11J05000
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
魚野 翔太 京都大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 自閉症スペクトラム障害 / 視線 / 共同注意 / MEG / fMRI |
Research Abstract |
1、脳磁図用いて型発達者における自動的な共同注意に関わる神経基盤の時空間構造を検討した実験の解析を行った。逸れた視線・矢印とそうでない視線・矢印を手がかり刺激として呈示し、後続するターゲットの検出課題を課されている参加者の脳活動を計測し、逸れた視線と矢印に共通した活動に加え、視線と矢印に対して異なる領域が活動するかどうかについて解析を行った。逸れた視線と矢印に対する共通した活動は手掛かり刺激呈示後200-400msの時間帯で右上側頭溝、両側下前頭回、左上側頭溝の順で見られたが、刺激呈示後350msから両側中前頭回が逸れた視線に対して矢印よりも強い活動を示し、両側上頭頂葉が逸れた矢印に対して視線よりも強い活動を示した。視線と矢印よって引き起こされる注意シフトに対応する神経活動の時空間的なパターンを明らかにしたこの研究は、共同注意に障害のある広汎性発達障害(PDD)を対象とした研究を行うための基礎データとして重要である。 2、核磁気共鳴画像法を用いて、閾下呈示された視線に対する脳活動と閾上呈示された視線に対する定型発達群とPDD群の脳活動の解析を進めている。先行研究から、定型発達群ではマスキングによって意識的には見えなくなった視線の方向にも注意シフトが生じるが、PDD群ではこの現象が生じないことが示されている。本研究では、閾下呈示および閾上呈示された視線の後、視線に一致した方向もしくは逆方向にターゲットを呈示した。できるだけ早くターゲットを検出するという課題中の、閾下呈示および閾上呈示された視線とターゲットに対する脳活動を計測した。閾下呈示された視繰の向きへの注意シフトが生じないことはPDD群における共同注意の機会が潜在的に少ないことを示唆しており、この障害の神経基盤を明らかにすることはPDD群における共同注意の障害の理解のために必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Rapid, high-frequency, and theta-coupled gamma oscillations in the inferior occipital gyrus during face processing
Author(s)
Sato, W., Kochiyama, T., Uono, S., Matsuda, K., Usui, K., Inoue, Y. & Toichi, M.
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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