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2013 Fiscal Year Annual Research Report

細胞外二重鎖RNAの細胞内輸送メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 11J05013
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

渡部 綾子  東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(PD)

Keywordsカイコガ / 黄色ブドウ球菌 / 有機合成化合物 / 抗菌薬 / 治療効果
Research Abstract

増え続ける耐性細菌に対する新規抗菌薬の開発は重要である。新規抗菌薬は既存の薬剤よりも安定かつ安全であることが求められる。しかし、現在の開発方法では多くの時間が必要であり、そのため多大なコストを必要とする。そこで、コストが安く治療効果を指標とした新規医薬品の評価が可能であるカイコに着目したカイコの動物モデルとしての特色として、1個体に使用する薬剤が少量で治療効果を検討することができる。また、カイコは他の代替モデルであるショウジョウバエと比べて体長が大きく、薬物動態を分析するのに必要な血液と臓器を分離することが容易である。さらに、カイコとヒトの薬物代謝経路などの薬物動態における共通点も存在する。既に、天然物である土壌細菌の培養抽出液から治療効果を指標にしたスクリーニングにより新規抗生物質カイコシンを分離同定し、マウス黄色ブドウ球菌感染モデルでも治療効果が認められている抗生物質の取得が成立している。一方、より優れた化合物の創出のためには合成展開が必須であるが、カイコの治療効果を指標にした抗菌薬の誘導体の評価を行うことが可能であれば、カイコモデルは創薬において有用なツールとなり得る。そこで本研究は、黄色ブドウ球菌感染モデルカイコを用いて、カイコの治療効果を指標にして有機合成化合物の治療効果を指標にした合成展開が可能であることを検証するとともに、新規合成化合物の体内動態および、その作用機序を解明する。有機合成化合物ライブラリーからカイコ黄色ブドウ球菌感染モデルを用いてスクリーニングを行い、カイコ黄色ブドウ球菌感染カイコに延命効果を示したエステル化合物(CAS : 261714-60-7)を発見しこの化合物をリード化合物とし有機合成展開し57種類の化合物が得られた。そのうち2つの新規化合物(X, Z)が黄色ブドウ球菌のカイコ感染に対してヒット化合物より抗菌活性があり、高い治療効果が認められた。化合物XとZはベンゼン環に結合しているクロル(Cl)の数の違い、クロル(Cl)の数によってS. pneumoniaeとS. sanganiusに対する抗菌活性を上昇させる。一方で、S. aureus (MRSA3, MRSA4, MRSA8, MRSA11, MRSA12)に対する抗菌活性能は、ベンゼン環に結合するクロル(Cl)がフッソ素(F)に置換されることで高くなる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

カイコ黄色ブドウ球菌感染モデルを用いた有機合成化合物ライブラリーからのスクリーニングを行いヒットしたエステル化合物(CAS : 261714-60-7)をリード化合物として57種類の化合物が得られ、さらに抗菌活性と高い治療効果のある2種類を得ることに成功した。それらの化合物はS. pneumoniaeとS. sanganiusに対する抗菌活性も有しており、抗菌能はベンゼン環に結合するクロル(Cl)がフッ素(F)に置換されることで高くなることも明らかにした。

Strategy for Future Research Activity

新規化合物のカイコにおける治療効果はみられたことから、マウスを用いた同様の実験を行うことが重要であると考えらえる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Critical role of transient activity of MT1-MMP for ECM degradation in invadopodia.2013

    • Author(s)
      Watanabe A, Hoshino D, Koshikawa N, Seiki M, Suzuki T, Ichikawa K.
    • Journal Title

      PLoS Comput Biol.

      Volume: 9(5)

    • DOI

      10.1371/journal.pcbi.1003086

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Structure-activity relationship study of novel iminothiadiazolo-pyrimidinone antimicrobial agents.2013

    • Author(s)
      Paudel A, Kaneko K, Watanabe A, Shigeki M, Motomu K, Hamamoto H, Sekimizu K.
    • Journal Title

      J Antibiot (Tokyo).

      Volume: 66(11) Pages: 663-667

    • DOI

      10.1038/ja.2013.69

    • Peer Reviewed
  • [Remarks] 微生物薬品化学教室ホームページ

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~bisei/index.html

URL: 

Published: 2015-07-15  

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