2012 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛フィンガー融合型組換え酵素による革新的な野生型遺伝子ノックアウト法の開発研究
Project/Area Number |
11J05142
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
増田 朱美 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | zinc finger / nuclease / telomerase / hTERT promoter |
Research Abstract |
テロメアは細胞増殖に伴い短縮され細胞分裂ができなくなる。しかしがん細胞はテロメラーゼの活性化してテロメアを維持している。テロメラーゼ活性はhTERT promoterの発現と相関していることからhTERT promoter領域を標的としたZFNによる反応を試みた。hTERT promoterのがん細胞における転写活性を測定した。Fireny luciferase reporter plasmidの上流にクローニングしたhTERT promoterを挿入した。 Transfection後48時間の細胞からluciferaseの発光強度を測定したところhTERT promoterの長さの差異が転写活性に影響を及ぼした。hTERT core promoterの上流、下流を標的とした5-fingerを有するZFN遺伝子を作製し、Us7,Us8ペアおよびDs7,Ds8ペアともにin vitroにおける切断を確認した。さらに細胞内における切断反応の評価を行った。HEK293細胞内にreporter plasmidおよびZFN expression plasmidを導入し、reporter plasmidの切断によるluciferase発光強度を比較した。標的配列を含むhTERT promoterを有するpGL3 vectorおよび標的配列を含まないCMV promoterを有するpcDNA vectorの二種類のZFN expression plasmidsを用いた。二種類を比較することでZFN expression plasmid中の標的配列の有無によるdonor plasmidの切断効率と発現効率の相関を検討した。細胞内におけるreporter plasmidの切断反応の評価ではCMV promoterを有するZFN expression plasmidを導入した場合の方がhTERT promoterをZFN expression plasmidを導入した場合よりも切断効率が高いことが明らかとなった。またHEK293細胞へZFN expression plasmidをエレクトロポレーションにより導入し、ゲノム上での切断反応を行ったところ、目的のゲノム上で切断が起こったことをsurveyor nuclease assayおよびシークエンス解析により確認した。hTERT promoterによるがん細胞特異的なZFNの発現および自己切断における発現制御が可能となれば治療に向けた利用が期待される。
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