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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ゼブラフィッシュを用いた生理活性脂質リゾホスファチジン酸関連遺伝子の網羅的解析

Research Project

Project/Area Number 11J05211
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

中永 景太  東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)

KeywordsLPA / ゼブラフィッシュ / マススペクトロメトリー
Research Abstract

本研究はゼブラフィッシュを用いてリゾホスファチジン酸(LPA)前駆体供給経路、産生されたLPAの代謝経路、およびLPAの輸送経路を個体レベルで明らかにすることである。そのために、モルフォリノを用いて機能を抑制したゼブラフィッシュの表現型解析とマススペクトロメトリー(MS)による高感度な脂質分析法を組み合わせて、機能的かつ生化学的にLPA代謝経路を明らかにする。
LPAの産生・分解経路は複数存在し、また脂肪酸の種類と同じだけLPAの分子種が存在するため、代謝機構全体を理解するには、LPAとその代謝物を脂肪酸別に幅広く網羅的に測定できる方法が必要不可欠である。そのため、脂質を脂肪酸別に分離できる逆相カラムを用いた脂質測定方法の確立を目指した。これまでLPA,ホスファチジン酸(PA),ホスファチジルセリン(PS)の逆相カラムを用いた分離条件ではピークがブロードとなり、分離が不十分であることが問題であった。そこで私は、カラムと移動層条件を検討したところ、C18MGII、C18ACRカラムと移動層A(5 mM ammonium form ate in water pH4.0)、移動層B(5 mM ammonium formate in 95%(v/v) acetonitrile pH4.0)を組み合わせることで、LPA,PA,PSのすべてを逆相条件で分離することが可能となった。HeLa細胞から脂質を抽出し、上記の条件を用いてMS/MS(SRM)解析を行ったところ約85種のジアシルリン脂質、35種のリゾリン脂質、10種のスフィンゴ脂質を同定することができた。ゼブラフィッシュは脂質を豊富に含むegg yolkと呼ばれる組織を有しており、ゼブラフィッシュ個体の脂質解析においてこの組織を除くことが必要である。私は、2種類のバッファーを用いることでegg yolkの個体への混入をタンパクレベルで1/1000以下まで除くことに成功した。分離した個体とyolkの脂質解析を行ったところ、個体では飽和脂肪酸を有するリン脂質が多く、yolkでは不飽和脂肪酸を有する脂質が多いことが分かった。このことは個体とyolkでは異なる脂質代謝メカニズムが存在することを示唆している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マススペクトロメトリーによる網羅的リン脂質解析の測定系の構築がほぼ完成した点に関しては、当初の計画通り進行することができた。一方でモルフォリノを用いた個体での評価がやや遅れ気味ではあるが、測定系が完成したことで、今後は飛躍的に研究が進行することが期待される

Strategy for Future Research Activity

これまでと比べて簡便かつ高感度にリン脂質を測定できる方法が開発できたため、現在ゼブラフィッシュを用いた解析以外にも応用することを試みている。リン脂質はほとんどの生理病理現象に関わっているが、詳細にリン脂質分子を捉えている研究は少ない。オートファジーは生体内分解機構のひとつであり、リン脂質代謝が大きな寄与を持っていると考えられているが、その詳細は不明なままである。私はオートファジーの解析に網羅的脂質測定法を応用することで、新しい代謝メカニズムをすでに見いだしている。今後、この脂質代謝とオートファジーがどのような関係にあるのかを明らかにする。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] AUTOTAXIN REGULATES VASCULAR DEVELOPMENT VIA MULTIPLE LYSOPHOSPHATIDIC ACID (LPA) RECEPTORS IN ZEBRAFISH2011

    • Author(s)
      Hiroshi Yukiura, Kotaro Hama, Keita Nakanaga, Masayuki Tanaka, Yoichi Asaoka, Shinichi Okudaira, Naoaki Arima, Asuka Inoue, Takafumi Hashimoto, Hiroyuki Arai, Atsuo Kawahara, Hiroshi Nishina, Junken Aoki
    • Journal Title

      JBC

      Volume: 286 Pages: 43972-43983

    • DOI

      10.1074/jbc.M201195200

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] An improved method for the detection of phospholipids2012

    • Author(s)
      Keita Nakanaga, Aoki Junken
    • Organizer
      The 7th KOREA-JAPAN conference on cellular signaling for young scientists
    • Place of Presentation
      Ulsan, Korea
    • Year and Date
      20120217-20120218
  • [Presentation] Autotaxin-lysophosphatidic acid signaling functionally modulate sphingosine-1-phosphate signaling2011

    • Author(s)
      Keita Nakanaga, Kotaro Hama, Kuniyuki Kano, Atsuo Kawahara, Junken Aoki
    • Organizer
      Lysophospholipid Mediators in Health & Disease
    • Place of Presentation
      Lucca, Italy
    • Year and Date
      20110814-20110819

URL: 

Published: 2013-06-26  

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