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2013 Fiscal Year Annual Research Report

社会的な規範/価値観の共有による社会形成に関与する脳神経基盤のfMRIによる解明

Research Project

Project/Area Number 11J05219
Research InstitutionTamagawa University

Principal Investigator

蓬田 幸人  玉川大学, 脳科学研究所, 特別研究員(PD)

Keywords社会規範 / 信念 / 説得 / fMRI
Research Abstract

社会集団の共有価値観としての「社会規範槻範)」は、その集団に属する個々人の行動原理として内在化され、集団・社会の形成や維持に大きな役割を果たしている。規範が集団内で共有され、個人の意思決定・行動を規定していく過程の神経基盤を順次明らかにする為に、平成25年度は前年までに明らかにした「規範の重要度(=価値)の大きさの処理」に関わる脳活動領域の知見および「説得による規範の変化過程」に関わる脳活動領域の知見を統合し、規範を通じた社会形成の神経基盤に関する包括的な学術研究としてまとめることを目指した。
ある社会の中で規範は常に固定されたものではない。特定の規範に対する個人の態度は、対人間、あるいはメディアを通じた説得的コミュニケーションを通じて肯定的にも否定的にも変化し、結果として環境保護運動の高まりや人種差別的ルールの撤廃といった大きな規範変化をもたらしてきた。本研究ではMRIスキャナ内で説得的メッセ一ジを提示して被験者の規範に対する態度を変化させ、その過程に特異的な脳領域を、機能的MRIを用いた脳機能イメージングの手法にて同定した。また、この過程に規範に対する態度自体を表象する領域がどう関わっているのかも明らかにすることを目指した。
結果として、説得による規範に対する態度変化の過程は、説得一般に関わる左背外側前頭前野、前頭前野内側部などの領域に加えて、これまで社会認知や道徳判断への関与が示唆されてきた両側の側頭極、側頭頭頂連合部等の領域が必要とされる特殊な過程であることが明らかになった。さらに、説得により規範に対する態度が否定的に変化する場合には、上記の領域に加えて左側の中側頭回、縁上回領域が特異的に関与することが明らかになった。またこの2つの領域の内、左縁上回は説得による規範変化の過程の中で、説得されたことによって変化する規範に対する態度そのものを表象していることを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成25年度は申請計画どおりに、研究テーマである「社会的な規範/価値観の共有による社会形成に関与する脳神経基盤」において、採用年度1年目・2年目に明らかにしてきた「規範の重要度(=価値)の大小の処理に関わる脳活動領域」「説得による社会規範の変化過程に関わる脳活動領域」の知見を統合し、平成25年6月には第36回日本神経科学大会にて口頭演題として選出され発表した。また、同成果を学術論文としてまとめ、現在PNAS誌に投稿予定である(英文校正中)。申請研究は極めて順調に遂行されたと判断される。

Strategy for Future Research Activity

上記のように、本研究の成果を学術論文として国際学会誌に発表する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 説得による社会規範の変容の神経基盤2013

    • Author(s)
      蓬田幸人
    • Organizer
      第36回日本神経科学大会(口演)
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館(京都府京都市)
    • Year and Date
      2013-06-21

URL: 

Published: 2015-07-15  

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