2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規脂質運搬体としての分泌膜小胞エクソソームとその生理・病態学的意義の解明
Project/Area Number |
11J05297
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬川 勝盛 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | エクソソーム / マクロファージ / フォスファチジルセリン |
Research Abstract |
分泌膜小胞であるエクソソームが食細胞にどのように取り込まれるかを調べる為に、エクソソームの精製、精製エクソソームの蛍光物質標識を行った。培養脂肪細胞および未成熟樹上細胞の培養上清を、段階的に超遠心をかけることで分泌膜小胞エクソソームを単離した。単離した分泌膜小胞エクソソーム画分には、エクソソーム濃縮の指標となる、MFG-E8およびFlottilinが濃縮していることを確認した。エクソソームにはコレステロールが多く含まれている事が知られているが、我々の調整したエクソソーム内にも多くのコレステロールや中性脂肪が含まれている事も、薄膜クロマトグラフィー法にて確認した。次いで、単離したエクソソームを蛍光試薬PKH26にて蛍光標識した。蛍光ラベルしたエクソソームを各種細胞に添加し、細胞の蛍光値をフローサイトメトリーで測定することで、エクソソームの細胞内への取り込みを定量的に評価した。 繊維芽細胞NIH3T3は通常状態では、フォスファチジルセリン受容体Tim4を全く発現しておらず、エクソソームを効率よく取り込むことができない。しかしながら、フォスファチジルセリン受容体であるTim4を過剰発現させることで、エクソソームを強く細胞内に取り込む事が明らかとなった。またこの増強したエクソソームの取り込みは、エクソソーム表面のフォスファチジルセリンをマスクすることで消失した。Tim4は腹腔常在性マクロファージに強く発現していることから、内因性のTim4がエクソソームの取り込みに関与しているかを調べた。その結果、Tim4欠損マウスの腹腔常在性マクロファージは、野生型のマクロファージに比し、エクソソームを効率よく取り込めないことが明らかとなった。
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