2012 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療における経時的線量最適化治療技術に関する研究
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11J05720
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木田 智士 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 4D CBCT / Image quality / iterative reconstruction |
Research Abstract |
放射線治療においては、何日かに分けて分割照射を行うことが多い。日々の治療毎に、変化する臓器の位置形状がCBCTで撮影され、位置合わせに用いられている。私たちの最終的な目標は、この日々撮影されるCBCTの画像を用いて、真の積算処方線量を見積もることである。CBCTの画質向上は、CBCT上でのimage registrationによる臓器の移動変形や、それに合わせた線量計算を可能にし、真の積算処方線量を得ることができる。また、それに対応した、適切な治療計画の変更も可能となる。CBCTの画質の低下の主要な原因の一つとして、光子の散乱が考えられ、散乱補正による画質改善が様々に試みられている。本研究では、CBCT再構成方法や投影画像枚数の違いによる画質の違いを検討した。従来用いていたFBP (Filtered Back Projection)と呼ばれる手法iterative再構成法の一つであるML-Convex法において、再構成画像の画質を比較評価した。またML-Convex法により、より少ない投影枚数での画質改善を図ることによって、撮影による被ばく量の低減の可能性を検討した。ML-Convex法によって、FBPと比べて少ない投影枚数でも画質の均一性、画素値の正確性ともに向上することが確認できた。これは、CBCT撮影における被ばく低減と共に、CBCT上での線量計算の可能性を示唆している。また、以上の結果をふまえ、ML-convex法を用いて4DCBCT再構成を行い、従来の再構成法であるFeldkamp法(FDK)との比較により、画質改善の評価を行った。4DCBCTにおいて、従来のFDK法では、位相分けによる投影枚数の減少(1 projection/5゜)により、ストリークアーチファクトが顕著に観測されたが、ML-Convex法では同じ投影枚数でもストリークアーチファクトが減少し、画質のコントラストや均一性、画素値(減衰係数)において改善が認められた。再構成時間においては、FBPの方がまだまだ優位にあるが、GPUに対応させる等の工夫により、さらに高速化を図ることができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経時的線量最適化治療技術において4DCBCTの画質改善は必須技術であり、来年度に予定しているDeformable Image Registrationを伴った研究の発展の土台を造ったという意味で、今年度の研究成果は大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
経時的線量最適化治療の実現という研究の目的を達成する最終段階として、Deformable Image Registrationと4DCBCTとを融合させ、治療精度の検証と線量最適化のシステムを構築する。
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