2012 Fiscal Year Annual Research Report
線虫の記憶を規定する神経回路動態のエピジェネティック制御
Project/Area Number |
11J05799
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉 拓磨 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013-03-31
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Keywords | 線虫 / 記憶 / エピジェネティクス / 振動 |
Research Abstract |
昨年度に作製した振動記憶の解析装置をハイスループット化した。また、現在、振動記憶に異常を持つ可能性が示唆されたエピジェネティックタンパク質をコードするDNAを、様々な振動記憶を保持するニューロン特異的に発現させ、細胞特異的なレスキュー実験を行っている。この実験から、目的タンパク質が機能するニューロンが同定されることが期待される。具体的には、振動記憶ニューロンに特異的に発現させるためのさまざまなプロモーターDNAをクローニングすることに成功したので、そのDNAとエピジェネティックタンパク質を連結し、線虫にインジェクションした。得られた線虫の振動記憶を昨年度作製した振動記憶の解析装置で定量化している。また、線虫の個体機能の解析を行うため、新たな蛍光プローブとして、蛍光ダイヤモンドナノ粒子に着目したプロジェクトも推進した。蛍光ダイヤモンドナノ粒子は、槌色がなく、明滅もない次世代の蛍光プローブとして、現在、注目を集めているが、これまで、同プローブを個体内In vivoでの計測に応用した研究はなかった。われわれは、同プローブの蛍光イメージングを線虫において、初めて成功させ、その結果、線虫由来の自家蛍光とは区別し、ダイヤモンドナノ粒子由来の蛍光を選択的に計測することを可能とした。この結果は、論文化され、Nano Lettersへ掲載された(Igarashi et a1., 2012)。現在、同プローブを用いて、線虫の個体機能の解析を進めることにより、エピジェネティックな修飾の表現型として、個体機能がいかに変化するのかを明らかにすることを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、第二年度においては、単一ニューロンのChIP on chip解析系の立ち上げに着手する予定であり、計画通り、現在、立ち上げが円滑に進んでいるため。
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[Journal Article] Real-time background-free selective imaging of fluorescent nanodiamond in vivn2012
Author(s)
Ryuji Igarashi, Yohsake Yoshinari, Riroaki Yokoia, Takuma Sugi, Fuminori Sugihara, Kazuhiro Ikeda, Hiroshi Sumiya, Shigenori Tsuji, Ikme Mori, Hidehito Tochio, Yoshie Rarada, Masahiro Shirakawa.
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Journal Title
Nano Letters
Volume: 12
Pages: 5726-5732
DOI
Peer Reviewed