2012 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光センサー分子の細胞内における特定部位への自発的な局在化手法を開発
Project/Area Number |
11J05806
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗下 泰孝 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 蛍光イメージング / 蛍光プローブ / ヌクレオシドポリリン酸 / 亜鉛錯体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、蛍光センサーを細胞内の特定部位に自発的に局在化させ、そこでのピンポイントイメージングを実現する手法を開発することである。標的生体分子そのものの時空間的ダイナミクスを正確かつリアルタイムに観測する上で、このような手法の開発は不可欠である。なぜなら、同一細胞内のミトコンドリアと核では検出したい生体分子の濃度や動的濃度変化パターンが異なることが予想され、蛍光センサーを局在化させないとそれぞれの変化を別個に捉えることは不可能である。また、特定部位に蛍光センサーを局在化させることによって、それ自身の拡散を抑制することができ、生体分子そのものの動的濃度変化をより正確に観測できるようになると考えられる。本年度はこれまでに開発したATPなど生体内のヌクレオシドポリリン酸種を選択的に検出可能な蛍光センサーを細胞内の特定部位、具体的には細胞膜外側、ミトコンドリアに局在化させることを試みた。様々な蛍光センサーを合成し、培養細胞内におけるその局在を評価した結果、細胞膜外側とミトコンドリアそれぞれに局在化する蛍光センサーを見いだすことに成功した。さらに、細胞膜近傍とミトコンドリアにおけるATPの濃度変化を蛍光イメージングによって解析することにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はこれまでに開発したATPなど生体内のヌクレオシドポリリン酸種を選択的に検出可能な蛍光センサーを細胞内の特定部位、具体的には細胞膜外側、ミトコンドリア、核に局在化させることを試みた。様々な蛍光センサーを合成し、培養細胞内におけるその局在を評価した結果、細胞膜外側とミトコンドリアそれぞれに局在化する蛍光センサーを見いだすことに成功した。さらに、細胞膜近傍とミトコンドリアにおけるATPの濃度変化を蛍光イメージングによって解析することにも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
核など細胞膜外側やミトコンドリア以外にも蛍光センサーを局在化させることを目指す。さらに、これまでに開発した蛍光センサーを使って未知の細胞機能を蛍光イメージングにより明らかにすることを目指す。
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