2012 Fiscal Year Annual Research Report
サービス設計知識の統合的管理手法とそれに基づくサービス設計支援環境の開発
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11J06355
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
赤坂 文弥 首都大学東京, システムデザイン研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サービス工学 / サービス設計 / 設計知識 / サービスCAD / 設計カタログ / 設計評価 / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、サービスに関する設計知識の再利用に基づきサービス設計支援を行う計算機環境の構築である。 初年度(平成23年度)は、サービス機能の実体化に関する知識ベースを構築すると共に、構築した知識ベースを用いて設計支援を行うための具体的方法を提案した。第二年度である本年度(平成24年度)では、初年度の研究成果を基に設計されたサービスをシミュレーションにより評価するための手法を開発し、その例題適用を行った。 (1)多様な利害関係者を考慮したサービスの評価手法の開発 一般に、サービスの提供構造中には複数の利害関係者が介在している。ここで、多数の利害関係者間には、複雑な関係やフィードバック・ループが内在し、それらが相互作用を及ぼしあいながらサービ・システム全体としての振る舞いや提供価値の大きさを決定する。このような評価対象に対するシミュレーション評価を可能とするために、本研究では、複雑なシステムの構成要素間の相互作用(因果関係)をモデル化し、その振る舞いをシミュレートすることで、システムの特性を解析する手法であるシステムダイナミックス(SD)を適用した。このシミュレーションにより、設計したサービスが各利害関係者に対して提供可能な価値を設計段階で評価することを可能とした。 (2)提案手法のカーシェアリングサービス設計への適用 本研究では、提案手法をカーシェアリングの設計に適用した。その結果、本提案手法により、カーシェアリングサービスに係わる利害関係者(ユーザや提供者、ガソリンスタンド等)が受け取る価値の大きさをシミュレーションにより評価しながら設計を進め、最終的に新たな設計解を導出することが可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、第2年度の目標を、サービス設計における発想支援ツール(サービス設計カタログ)の開発としていたが、これは初年度に既に完了しており、第2年度は、さらに研究を一歩進めて、設計解の評価手法の開発を行うことができた。以上の理由から、当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの2年間の研究で、(1)設計知識を提示することで設計者の発想支援を行うこと、(2)設計されたサービスを多様な利害関係者の視点から評価すること、が可能となった。 最終年度では、これまでの提案手法を「サービスの体系的な設計プロセス」としてまとめると共に、提案手法の計算機への実装を積極的に行う。また、実事例への適用も行い、その成果を博士論文としてまとめる。
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Research Products
(15 results)