2011 Fiscal Year Annual Research Report
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11J06848
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
孫 ショ嵐 東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | B細胞分化 / Y染色体 |
Research Abstract |
1)Y染色体上の遺伝子異常の同定 FISH解析によりB細胞欠損マウスのY染色体の構造が異常であることが分かった。そこで,疾患発症マウスと正常マウスからゲノムDNAを採取し,Y染色体のエキソームシークエンス解析を行った。その結果について現在解析中である。 また,本来なら分化段階にしか発現しないY染色体由来遺伝子がB細胞分化過程で異所性に発現することによってB細胞が分化異常になる可能性を検討するため,B細胞欠損雄マウスと同腹の雌マウスからB細胞を採取し,Y染色体上の遺伝子の発現様式を比較した。しかし,両者の発現様式に明らかな違いは認められなかった。 2)B細胞欠損機序の解明 リアルタイムPCRの実験により,B細胞分化に必須であるEBF,E2Aの発現がB細胞欠損マウスの骨髄pre-pro B細胞では有意に低下し,一方,Id2の発現はB細胞欠損マウスでは同腹の雌マウスと比べ4倍程高いことを見いだした。これら遺伝子の発現異常がB細胞欠損の原因であるかどうかを検索するために,EBF,E2AおよびId2のshRNAをB細胞欠損マウスの造血幹細胞にレトロウイルスベクターで導入し,Rag2欠損マウスに移植した。移植して10週目の時点では末梢血中にB細胞は認められなかった。今後,16週の時点で解析を行う予定である。 また,欠損マウスでは,B細胞分化はpre-pro B細胞からpro Bへの分化段階で停止したことから,欠損マウスと同腹雌マウスの骨髄からpre-pro Bをソーティングし,micro array解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EBF,E2AおよびId2のshRNAをB細胞欠損マウスの造血幹細胞にレトロウイルスベクターで導入してみたが,感染効率が低いため,いろいろ工夫を試みた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)シークエンス結果解析 B細胞欠損マウスを野生型マウスと比較し,バリアント配列とfusion geneの検索を行う予定である (2)Micro arrayの結果解析 B細胞欠損マウスと同腹雌マウスのpre-pro B細胞において,違う発現量を示す遺伝子を検索し,レトロウイルスベクターで導入した後B細胞分化がレスキューされるかを検討する予定である。
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Research Products
(1 results)