2012 Fiscal Year Annual Research Report
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11J06848
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
孫 ショ嵐 東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | B細胞分化 / NK細胞分化 |
Research Abstract |
1)Y染色体連鎖遺伝の解析 B細胞欠損マウスと野生型マウスの脾臓細胞由来ゲノム(それぞれn=3)を用いて、Y染色体のエクソームシークエンスを行った。しかし、両者の遺伝子配列において有意な差は認められなかった。 2)B細胞欠損機序の解明 B細胞欠損雄マウスと同腹雌マウスの骨髄pre-pro B細胞を用いて、B細胞分化に関与する分子群の発現をリアルタイムPCR法により比較検討した。その結果,B細胞分化に必須であるEBF,E2Aの発現がB細胞欠損マウスの骨髄pre-pro B細胞では有意に低下し,一方,Id2の発現はB細胞欠損マウスでは同腹の雌マウスと比べ4倍程高いことを見いだした。これら遺伝子の発現異常がB細胞欠損の原因であるかどうかを検索するために,EBF cDNA, E2A cDNAあるいはId2 shRNAをB細胞欠損マウス由来の造血幹細胞にレトロウイルスベクターで導入し,Rag2欠損マウスに移植した。移植5週後にEBFを導入した造血幹細胞からB細胞の分化が確認できた。しかし、E2A cDNAおよびId2 shRNA導入では効果はみられなかった。以上より、EBFの低発現がB細胞分化異常の主要因であることが示唆された。 3)NK細胞欠損 B細胞欠損マウスにおいて、NK細胞の欠損もみられることを新たに発見した。骨髄においてNK細胞の分化を解析したところ、NK細胞に分化する最初の段階に停止したことが明らかになった。以上の結果からNK細胞とB細胞の分化に関与する共通な因子の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EBF遺伝子導入によりB細胞分化がレスキューできることを証明し、B細胞欠損のメカニズムの一端を明らかにした。この結果は、本免疫不全マウスのB細胞分化異常を理解するための重要な知見である。その意味で、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
NK細胞欠損メカニズムの解明からBとNK細胞の共通な分化因子を探索する予定である。
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Research Products
(1 results)