2012 Fiscal Year Annual Research Report
Rab35-centaurinβ2複合体による神経突起伸長メカニズムの解明
Project/Area Number |
11J06981
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 穂高 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経突起伸長 / 小胞輸送 / Rab35 / centaurinβ2 / Arf6 / リサイクリングエンドソーム / EHD1 |
Research Abstract |
脳の情報処理回路の実体である神経細胞ネットワークは、神経細胞が周囲の神経細胞に向かってケーブル状の構造(神経突起)を伸長させることで初めて形成される。すなわち神経突起の伸長メカニズムの解明は神経科学における重要な研究課題である。神経突起を伸長させるためには神経突起伸長部位への脂質膜の供給や接着因子の輸送が不可欠であることが近年報告され始めており、細胞内の物質輸送を司る小胞輸送という視点が今後の神経突起伸長研究において重要な切り口になってくると考えられる。我々はこの観点から、小胞輸送を司るRabタンパク質に着目し、神経突起の伸長に必須な新規小胞輸送因子としてRab35とその結合因子centaurinβ2を同定することにこれまで成功している(Traffic (2010) 11 : 491-507)。しかし、肝心のRab35とcentaurinβ2が制御する小胞輸送の実体はいまだ明らかでない。そこで本研究課題では、Rab35-centaurinβ2複合体が神経突起伸長時に制御している小胞輸送の実体を明らかにすることで、小胞輸送という観点から神経突起伸長の新規メカニズムを解明することを目指している。昨年度は、Rab35がcentaurinβ2をリサイクリングエンドソームへとリクルートし、同エンドソーム上のArf6を不活性化していることを見出した(J. Cell Sci.(2012) 125 : 2235-2243)。そこで本年度は、このArf6不活性化の生理学的意義について解析したところ、リサイクリングエンドソーム上でArf6が不活性化されると、ダイナミン様タンパク質EHD1が同エンドソームへとリクルートされることが明らかになった。(J. Cell Sci.(2013) in press)。EHD1はリサイクリングエンドソームから細胞膜への小胞輸送を促進することが報告されている。従って、Rab35とcentaurinβ2はEHD1を介してリサイクリングエンドソームから細胞膜への小胞輸送を制御していることが予想されることから、現在この可能性について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画(i)-(v)のうち、既に(i)、(ii)、(iv)、(v)の4つの研究計画を実施・達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究によって、リサイクリングエンドソーム上でArf6が不活性化されると、ダイナミン様タンパク質EHD1が同エンドソームへとリクルートされることが明らかになった。EHD1はリサイクリングエンドソームから細胞膜への小胞輸送を促進することが報告されていることから、Rab35とcentaurinβ2はEHD1を介して同エンドソームから細胞膜への小胞輸送を制御していることが予想される。従って今後はリサイクリングエンドソームから細胞膜への小胞輸送経路に着目しその動態を解析することで、Rab35-centaurinβ2複合体が制御する小胞輸送の実体に迫りたい。
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Research Products
(9 results)