2011 Fiscal Year Annual Research Report
精密な配座制御を鍵とする分子設計 : ヒスタミン受容体アンタゴニストの創出
Project/Area Number |
11J07038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 嵩明 北海道大学, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 標的化合物合成 / 構造活性相関 / 二環性骨格 / ヒスタミンH3受容体 / ヒスタミンH4受容体 |
Research Abstract |
本研究で進めている2つのテーマであるA『最適な複素環の同定』とB『精密な活性配座の同定』について以下順に示す。 A <内容>イミダゾール部を他の複素環に変換した標的化合物を4種の合成を達成し、H3及びH4受容体における活性評価を行なったところ、両受容体において親和性が大幅に減弱した(H3、H4:Ki>1000nM)。この結果から、この部位の立体許容性が小さく、対応する部位が異なることが推測された。そこで現在複素環を導入する部位の異なる標的化合物を設計し、選択性向上に関わる結合ポケットの位置を探索する予定である。 <意義・重要性>今回、予定した化合物の合成活性評価を行なえたものの、選択性の発現には繋がらない結果となってしまったが、両受容体における選択性の発現に向けた構造活性相関の知見が深まり、イミダゾールを有するリガンドと既存の選択的リガンドとの構造活性相関との関係を把握する手がかりとなると考えられる。今後更なる化合物の設計・合成・活性評価のサイクルを実行し、選択性発現に関与する官能基とその導入位置を見つけだす予定である。 B <内容>bicyclo[3.1.0]hexana骨格を有する標的化合物2種の合成を達成し活性評価を依頼した。また、標的化合物のNOE測定から期待していたように配座が制御されていることを確認した。今後活性評価の結果から両受容体における活性配座をコンピューターによる受容体モデリング・ドッキングと組み合わせて考察していく予定である。 <意義・重要性>設計時に考えたように配座が制御されたことを確認できたことや、汎用性ユニットを経由した合成法を確立できたことから、この配座制御法を他のGPCRでも用いることを可能とした。予定と比較して順調に進行していると考えており、今後も標的化合物の合成を続け最も良い配座制御ユニットを決定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実地計画に記した研究はおおむね行なえたものの、得られた結果から2つのテーマのうち最適な複素環の同定において、結合ポケットが違う可能性が推察され、標的化合物の設計変更による複素環導入位置の探索が必要となったため、2つのテーマの結果を組み合わせる段階への着手がやや遅れてしまうように思われたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最適な複素環の同定における複素環のスクリーニングを行なう前に、複素環部位の導入位置の探索を行なう。具体的にはイミダゾール部位ではなくベンジルアミノ基を様々な複素環に変換した化合物の設計を行なう予定である。この化合物の合成・薬理活性評価の結果を、引き続き行なう二環性骨格の検討結果と組み合わせて本研究を進行させていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Investigation of the bioactive conformation of Histamine H3/H4 receptor antagonists by the conformational restriction strategy2011
Author(s)
Kobayashi, T., Watanabe, M., Hirokawa, T., Yamada, S., Arisawa, M., Shuto, S.
Organizer
8th AFMC International Medicinal Chemistry Symposium (AIMECS11)
Place of Presentation
京王プラザホテル(東京都)
Year and Date
2011-11-30