2012 Fiscal Year Annual Research Report
局所的酸素勾配制御による幹細胞分化メカニズム解明に関する研究
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11J07293
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
太田 裕貴 東京女子医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | microTAS / oxygen / MSC / migration |
Research Abstract |
本研究は幹細胞を酸素濃度勾配下に暴露するデバイスを構築し,幹細胞の分化誘導の様子を観察し,さらに深い幹細胞分化の知見を得ることを目的とするものである.生体内では幹細胞,癌細胞ともに常に酸素濃度勾配下にさらされている.しかしながら,現在の細胞実験系では,一定状態のある酸素濃度における細胞反応を観察している.そこで本研究では,昨年度,作成したデバイスに細胞を適応した状態での酸素計測システムの構築と応用として,酸素濃度に対応した細胞遊走に関する検討を行った.現在までに提唱されている蛍光法を用いた酸素濃度計測装置は細胞傷害性が高く,適用できないので今回は電極を用いた方法を考案した.実際の装置としてはマイクロサイズのクラーク型酸素電極にX,Y,Zマニュピュレーターを組み付けることで酸素の三次元解析を行った.遊走の検討にはスクラッチ法を用いた.スクラッチ法は制御が困難であるため,そのために3Dプリンタを用いてマイクロサイズのスクラッチコームを作成し,さらにX,Y,Z制御装置と圧計測センサを組み付けることで,自動で高制御スクラッチを可能にした.その結果,酸素濃度計測装置を構築し,酸素濃度に対応した細胞遊走の様子を明らかにした.これは,2年次の計画に沿ったものである.現在は,骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)を用いての分化方法及び評価手法に関して検討している.以上のよう,申請書に記載した実験計画書通りに研究が進行している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書における実験計画通りに進んでいる.細胞を用いた系のため予想以上に培養などの時間がかかってしまっている来年度はさらに実験を加速させて,成果を上げたい.
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Strategy for Future Research Activity |
分化誘導の確立はできたものの2週間~3週間の培養が非常に負担が大きく何らかの対応策が必要であるとともに,そのような長期間における流体制御が安定せず,流量制御を×センシング技術とそのフィードバックシステムの構築が必要である.
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