2011 Fiscal Year Annual Research Report
垂直磁気異方性電極を用いた磁気トンネル接合に関する研究
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11J07400
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水沼 広太朗 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 垂直MTJ / スピントルクダイオード / 強磁性共鳴 / ダンピング定数 |
Research Abstract |
不揮発性を有する磁気トンネル接合(MTJ)は、メモリーや論理集積回路へ応用することで低消費電力化が期待されている。MTJをデバイスへ応用するためには、高いトンネル磁気抵抗(TMR)比、低い書き込み電流(I_<CO>)、高い熱安定性(Δ)、半導体プロセスにおける350~400℃の熱処理耐性が求められる。本研究では高いΔが得られるとして期待されている垂直磁気異方性電極を用いたMTJ(垂直MTJ)を用い、最先端微細プロセスにおいて高TMR比を保ちながら低いI_<CO>と高いΔを有する強磁性電極材料・構造の設計指針を明確化することを目的として実験を行っている。ここで、垂直MTJのI_<CO>とΔは一般的にダンピング定数αを用いて、I_<CO>∝αΔと表され、この式から低I_<CO>高Δ化にはαの低減が重要であることがわかる。そのため近年では低αを有する材料探索が盛んであり、また同時に、αを評価する手法についても注目されている。 H23年度は、i)垂直MTJにおけるαを評価する測定系の構築、ii)垂直磁気異方性MgO/CoFeB構造における界面磁気異方性の理解、iii)多層膜をベースとした垂直MTJの材料設計の検討、の3つを目的として挙げ、この内容に概ね沿って研究を進めてきた。特に、i)、ii)に関連し,αの評価方法としてスピントルクダイオード(STD)に注目し、この測定系を立ち上げ、垂直磁気異方性MgO/CoFeB MTJのSTDスペクトル解析によりαの導出法を確立した。広くαの評価方法として用いられている強磁性共鳴(FMR)方は、その感度から数mm角程度の大きな試料を必要とするが、STDは素子化したMTJでαを評価できるという利点がある。そこで、同一素子においてTMR比、I_<CO>、Δを評価できるように電流パルス・磁場パルスが印加可能な測定系を構築した。次年度ではMTJの材料・構造設計指針を得るため、異なる積層構造を用いたMTJにおいてデータを蓄積していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のようにH23年度は目的としてi)~iii)を挙げ、研究の重要性から特にi)とii)に注力した。そこでα評価の測定系が立ち上がり、それに付随して磁化のダイナミクスや界面磁気異方性に関する知見が得られたため、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記したように、H23年度は特にi)とii)に注力し、実験を行ってきたため、今後は垂直磁気異方性MgO/CoFeB MTJのみでなく、様々な構造め垂直MTIを測定し、データを蓄積していく。またii)に関連するように多層膜をベースとしたMTJの開発も積極的に行い、そこで開発されたMTJを用いてそのαやTMR比、ICO,Δを測定し、今後のMTJ開発の設計指針をより明確化していく。
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Research Products
(14 results)