2012 Fiscal Year Annual Research Report
エピソード記憶の「再活性化の仮説」に関する検討-認知神経科学的アプローチ-
Project/Area Number |
11J07584
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 彩 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | エピソード記憶 / 再活性化の仮説 / 脳機能画像法 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に行ったfunctional MRI実験のデータ解析を終了させた。来年4月以降にはこの実験データに関して論文を執筆し、国内の学会で成果報告を行う予定である。 また、当初の研究予定としては、日々の生活の記憶であるエピソード記憶の記銘・想起のメカニズムの仮説の一つである「再活性化の仮説」を検討することを目的とし、下記の2種類の研究・研究遂行の準備を行う予定であった。 研究A:健常者を対象とした、脳機能画像法(差分法・Dynamic Causal Modeling ; DCM)を用いた研究。課題は連合記憶課題(二つの刺激を併せて記憶する課題。例:単語と絵を同時に呈示し、その二つを記憶する)を実施する。 研究B:脳損傷者と健常者を対象とした、構造画像(拡散テンソル画像,3D画像のvoxel-based morphometry解析;VBM解析)と心理実験(連合記憶課題)を用いた研究。 本年度は上記の研究Aの実験プロトコル作成のための連合記憶課題を用いたパイロットスタディを実施し、パイロットスタディの結果を踏まえて課題に修正を加えた実際の実験プロトコルを作成し、その後連合記憶課題の行動データ、及び脳機能画像データの取得・解析を行い、それに加えて、研究Bの実験プロトコル作成のためのパイロットスタディを行う予定であった。研究Aの実験プロトコル完成、fMRI実験でのデータ取得に関しては、採用中断期間が明ける来年度に完遂することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に行ったfunctionalMRI実験のデータ解析や妊娠中の自身の体調、採用中断期間までの時間との兼ね合いで、思ったように当初の研究活動を遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の10月から出産・育児による採用中断期間に入っているため、その採用中断期間が明ける来年度4月からは9.研究実績の概要に記載した、研究Aの実験プロトコルを完成させるためにパイロットスタディを進め、本実験(fMRI実験)に入れるようにする。また、研究Bに関しても研究Aと平行して準備を進める。また、昨年度に行ったfunctionalMRI実験の実験データに関して論文を執筆し、国内の学会で成果報告を行う。
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