2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J07758
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 信行 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 非侵襲 / 空気噴流 / 細胞シート / 物性評価 / 移植デバイス / 流体制御 / 細胞培養 / 再生医療 |
Research Abstract |
当該研究課題では、細胞シート工学をベースとした再生医療を推進する上で欠かせない、細胞シートの結合度評価手法の構築とその応用について研究を実施した。当該年度は以下の2つの課題を実施した。 1. 口腔粘膜上皮細胞シート空気暴露後の液体培地挙動と粘膜形成解析 当該年度までに構築した空気噴流を用いた結合度評価手法の口腔粘膜シート上皮細胞シートの濡れ性評価への応用性を検討した。空気噴流によって一時的に液体培地を除去した後、再度、細胞シート表面を液体培地が覆う際の挙動を観察し、濡れ回復の速さと細胞シートの組織学的解析結果と比較した。細胞シートは、ラット口腔から採取した粘膜上皮細胞を温度応答性セルカルチャーインサート上で培養し作製した。培養条件として無血清培養系と血清培養系を準備した。実験の結果、無血清培養系の細胞シートでは濡れの回復挙動が遅く、血清培養系では逆に濡れの回復が高速であった。これまでの研究で粘膜形成の有無がその要因であることはわかっていたものの、原因となるタンパク質や遺伝子が不明であった。DNAマイクロアレイによる遺伝子解析の結果、血清培養系では粘膜を構成するmucin4 (MUC4)の発現量が無血清培養系に比べて100倍以上高いことが分かった。この結果をもとに、MUC4に対する細胞シート切片の免疫組織化学を行ったところ、血清培養系の細胞シートの表側のみにMUC4の発現が認められた。以上から、血清の有無に起因するMUC4の発現の違いが細胞シートの濡れ性の違いにつながったと考察している。 2. 細胞シート移植デバイス 当該年度までに構築した空気噴流印加手法を細胞シートの移植デバイスに応用した。本デバイスは、真空吸着によって細胞シートの脱落を抑制し、移植時には空気噴流によって細胞シートを噴射し移植するものである。ミニブタを対象とした実験結果から、本デバイスを用いることで、従来法のPVDF膜での移植と比べて、移植作業にかかる時間を半分以下にできることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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[Journal Article] Rate control of cell sheet recovery by incorporating hydrophilic pattern in thermoresponsive cell culture dish2013
Author(s)
Kumashiro Y, Matsunaga T, Muraoka M, Tanaka N, Itoga K, Kobayashi J, Tomiyama Y, Kuroda M, Shimizu T, Hashimoto I, Umemura K, Yamato M, Okano T.
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Journal Title
Journal of Biomedical Materials Research Part A
Volume: 00A
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed
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