2012 Fiscal Year Annual Research Report
相転移カイネティクスとダイヤモンド包有物に基づく地球深部の鉱物構成の解明
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11J08170
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西 真之 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 粒界拡散 / 核形成 / 下部マントル / ガーネット / Mg-perovskite / 反応縁 / 高圧実験 |
Research Abstract |
(研究1)鉱物の原子拡散速度は地球内部の流動特性や元素移動特性に影響する。本研究では、MgO periclaseとSiO_2 stishoviteを高温高圧条件下で反応させることでperovskite反応縁成長カイネティクスを明らかにし、この成長を律速する元素の特定と粒界拡散係数の決定を目的とした。24-50GPa,1650-2100℃,15-1500分の条件下で、計10回の実験を行った。回収試料の組織観察から、すべての実験条件でMgOとSiO_2の反応に伴うperovskite反応縁が確認された。また、得られた反応縁成長カイネティクスから、MgO成分の粒界拡散係数を、粒成長の効果を考慮して計算した。この結果から、下部マントル領域での鉱物の粒界拡散特性の議論が可能となった。 (研究2)鉱物が準安定相として地球深部に沈み込む場合、相転移境界からの過剰圧が徐々に大きくなるため、相転移メカニズムが変化し、相転移速度が不連続に増加する可能性がある。本研究では、単結晶ガーネットを32GPaを超える圧力領域で高圧相へ相転移(ポストガーネット相転移)させ、その急冷回収試料の分析から相転移メカニズムの圧力による変化を考察した。ポストガーネット相転移は、30GPa程度の圧力領域では新相が界面に核形成することが知られているが、本実験から、35-38GPa,1100℃以上の温度圧力条件で相転移メカニズムが変化し、粒内核形成が起こることが明らかとなった。粒内核形成は相転移速度を著しくに上昇させるため、沈み込むプレート内ではポストガーネット相転移がこのような高過剰圧領域で起こる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標である、マントル内の非平衡鉱物構成を構築するにあたり、鉱物中の原子拡散係数等のデータが順調に得られている。一方でダイヤモンド包有物に関する実験的研究は、先行研究が出版されたことにより中断している。
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Strategy for Future Research Activity |
目的の一つである、ダイヤモンド包有物の合成に関して、先行研究が報告された。そのため、もうひとつの目標である、非平衡鉱物構成の解明に向けた研究を集中的に推進する。
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Research Products
(5 results)