2013 Fiscal Year Annual Research Report
相転移カイネティクスとダイヤモンド包有物に基づく地球深部の鉱物構成の解明
Project/Area Number |
11J08170
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西 真之 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 粒界拡散 / 核形成 / 下部マントル / ガーネット / Mg-perovskite / 反応縁 / 高圧実験 |
Research Abstract |
(研究1)鉱物の原子拡散速度は地球内部の流動特性や元素移動特性に影響する。昨年度から今年度にかけて、マントル構成鉱物の非平衡性や流動特性を理解することを目的として、MgOとSio_2結晶間の拡散律速反応であるMgSi03 perovskiteの反応縁成長速度を実験によりを明らかにした。24-50GPa, 1650-2100℃, 15-1500分の条件下で、計10回の実験を行った。回収試料の組織観察から、すべての実験条件でMgOとSiO_2の反応に伴うperovskite反応縁が確認された。また、得られた反応縁成長カイネティクスから、MgO成分の粒界拡散係数を、粒成長の効果を考慮して計算した。この結果から、下部マントル領域での鉱物の粒界拡散特性の議論が可能となった。 (研究2)地球内部に存在する水は、相転移カイネティクスや岩石の流動特性に強く影響する。地球表層環境を構成する水は、地表の岩石との反応により含水鉱物を作り、プレートの沈み込みとともにマントル内に持ち込まれる。そのため含水鉱物の安定領域を知ることは、地球内部の水の循環機構とその規模を知るための重要な手掛かりとなる。今回、マルチアンビル型高圧発生装置と、焼結ダイヤモンドアンビル、貴金属製の試料容器を用いた超高圧下での含水実験技術を開発し、下部マントルにおける含水鉱物の相関係を研究した。その結果1200kmの深さを超えて、下部マントル深くまで存在できうる含水ケイ酸鉱物(Phase H)を新しく発見し、phase Hによる、地球表層から地球中心核(コア)までの大規模な水の循環の可能性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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